今回ご紹介する海外ドラマは、「サイロン」と呼ばれる機械生命体との戦争に敗れた人類が地球を目指して宇宙を放浪する様を描いたSFサバイバルアクション『ギャラクティカ』です。

同じ海外ドラマの『24』や『LOST』に比べるとまだ日本での知名度はそれほどではありませんが、そうした有名作品に勝るとも劣らない傑作でしたので、さっそくレビューを通してその魅力をお伝えしていこうと思います。

シーズン1に入る前に見るべき序章は、驚異の3時間ドラマ!

さて。

海外ドラマ、と聞くと「じゃあ毎日一話ずつ見ようかしら。TVサイズなら一話50分ぐらいよね」とキャラメルマキアートを優雅にすすりながら微笑むマダムがいらっしゃるかもしれませんが、甘い! その認識はあなたが飲んでいるキャラメルなんちゃらよりも甘いと言わねばなりません。

確かにドラマといえば一話の長さは45分~50分ぐらいが普通でしょう。それは『ギャラクティカ』も同じで、シーズン1は各45分×13話という構成になっています。

……が、実はこの物語、シーズン1の前に見ておくべき「序章」という映像が存在し、なんとこいつが182分、つまり3時間もあります。

おまけに3時間ずっと区切りがないので、軽い気持ちで見始めるとさあ大変。タイタニックレベルの大作映画を見たのと同じぐらいの疲労感に襲われます。

こう書くと、「で……でも、私はいつもRPGで遊ぶときオープニングムービーはスタートボタンで飛ばす主義なの!」とミルフィーユにフォークを入れながら口を尖らせるマドモアゼルがいらっしゃるかもしれませんが、残念ながらやはりあなたは甘い! そしてミルフィーユは食べにくい! と言わねばなりません。

この『ギャラクティカ』は、大変残念ことに序章を見なければさっぱり意味がわからない代物なのです。

いちおうシーズン1の冒頭に序章のあらすじがあるにはあるのですが、3時間をわずか1分に凝縮して語っているので何が何だかわかりません。

どう文句をつけたところで序章は『ギャラクティカ』を楽しむ上で絶対に必要な時間なのです。

とまあ、本作の魅力を紹介するといいながらなぜ誌面の大半を序章への文句に費やしているのか自分でもさっぱりわかりませんが、僕が本当に言いたいことは、"3時間と聞いて尻ごみするなかれ。序章には時間をかけてでも見る価値がある"ということなのです。

なにはともあれまず序章

3時間? なあに、かえって免疫力がつく ――続きを読む――