警告表示が大きくなった「蒟蒻畑」の外袋(写真提供 : マンナンライフ)

兵庫県の9カ月の男児(事故当時)がこんにゃくゼリーをのどに詰まらせ約2カ月後に死亡した事故で、10月からミニカップ入りの「蒟蒻畑」の製造販売を中止していたマンナンライフ(本社・群馬県富岡市)が一部商品の製造を再開した。警告表示を大きくするなどの事故防止策が取られている。12月初旬には店頭に並ぶ見込みで、「蒟蒻畑」ファンや地元からは"復活"を歓迎する声が上がっている。

同社によると、製造を再開したのはスーパー向けの「蒟蒻畑」(25g、12個入り)とドラッグストア向けの「蒟蒻畑ライト」(24g、8個入り)のいずれもぶどう / りんご / 白桃味の計6種類。

事故防止策として(1)パッケージの正面に警告マークを大きく入れ、「小さなお子様や高齢者の方は絶対に食べないでください」と記載、(2)パッケージ裏面に「凍らせると硬さが増すので、凍らせないで」と追記、(3)個別包装にも警告マークを記載。さらに原料のこんにゃく粉の割合を減らして弾力性を低くしたという。

今回の措置は10月3日に「全国こんにゃく協同組合連合会」など業界3団体が取りまとめた「一口タイプのこんにゃくゼリーの事故防止強化策」を踏まえたもので、同社品質保証室は「表示を通して製品の安全を高めるように努力した。引き続き形状や物性について改良を検討していきたい」としている。

マンナンライフが本社を置く富岡市のある市議は「地元企業だけに(製造再開は)うれしいニュースだ。そもそも製造中止自体に違和感を持っていた。今後また以前のように売れてくれるといいのだが」とほっとした様子。マンナンライフにも「ストックしていた『蒟蒻畑』がなくなりそうだったので、うれしい」といった喜びの声がメールや電話でいくつか寄せられているという。

また、製造中止に反対する署名や製造再開を求める署名が合わせて約32,000人分集まったオンライン署名サイト「署名TV」上では、署名活動の企画者が「大変な朗報です」として製造再開を伝えるコメントを記入。「残念ながら弾力性は低くなるようですが、あの味は十分楽しめそうです」と喜びを表現している。

兵庫県の男児死亡事故では、製造したマンナンライフの責任を追及する声がある一方で、「こんにゃくゼリーが悪いわけではない」「こんにゃくゼリーを与えた側にも(事故の)責任がある」といったこんにゃくゼリー"擁護派"も多く、ネット上を中心に議論となっていた。

個別の包装にも「警告マーク」を記載(写真提供 : マンナンライフ)