SUPER GTの08シーズン最終戦となる第9戦「FUJI GT 300KM RACE」レースが、8日・9日に富士スピードウェイで行われた。その模様を予選からリポートする。
GT500は23号車「XANAVI NISMO GT-R」の本山/トレルイエ組が王手
SUPER GTの08シーズンは、第8戦を終了した時点で、王座獲得の権利がある選手は5組に絞られた。ランキングトップは、今シーズン3勝という圧倒的な強さを見せている、23号車「XANAVI NISMO GT-R」の本山哲/ブノワ・トレルイエ組。60点で2位の18号車「TAKATA 童夢 NSX」の道上龍/小暮卓史組に対しては、14点差もつけている。3位は、道上/小暮組から1点ビハインドの36号車「PETRONAS TOM'S SC430」の脇阪寿一/アンドレ・ロッテラー組。それに続くのが、57点の38号車「ZENT CERMO SC430」の立川祐路/リチャード・ライアン組。立川/ライアン組と同点ながらこれまでの成績で5位となっているのが、22号車「MOTUL AUTECH GT-R」のミハエル・クルム/柳田真孝組だ。
各チームの王座獲得のための条件だが、本山/トレルイエ組を除いて自力優勝できるチームはない。2位の道上/小暮組ですら、最低でも本山/トレルイエ組が6位以下にならないと、勝ち目は出てこない。しかも、優勝しないとならないという状況だ(本山/トレルイエ組がノーポイントなら、道上/小暮組は2位でも王座になれる)。3位から5位までの3チームは、優勝が絶対条件。脇坂/ロッテラー組は本山/トレルイエ組が7位以下、立川/ライアン組とクルム/柳田組に至っては、本山/トレルイエ組が9位以下である必要がある。逆をいえば、本山/トレルイエ組は5位以上なら無条件で王座獲得というわけで、圧倒的に有利な状況だ。なお、最終戦は、予選1〜3位、決勝ベストラップ1〜3位に対するポイントは与えられない。また、SUPER GTは有効ポイント制で、全9戦の内、最後の3戦は無条件で有効とし、上位7戦のポイントで有効ポイントを算出するシステムとなっている。
ウェイトハンデはSC430勢が軒並み有利
一方、ウェイトハンデに関しては、23号車が80kgとGT500クラス全16台中最も重い。しかし、追う立場の18号車も決して軽くはなく、65kg。同じく3位の36号車も55kgだ。4位の38号車と、5位の22号車はともに25kgと軽めだ。「レクサス SC430」が富士スピードウェイを得意とすること、立川祐路は「富士マイスター」と呼ばれるほど富士を得意としていることなども重なり、トップ5の中では38号車が最上位に来そうな気配だ。
そのほかのマシンのウェイトハンデを見てみると、複数のSC430勢が性能引き上げ措置で重量が軽くなっており、有利な状況だ。高木虎之介/アンドレ・クート組の39号車「DENSO DUNLOP SARD SC430」と、土屋武士/石浦宏明組の25号車「ECLIPSE ADVAN SC430」が同措置「+2」で50kg減。負傷欠場から復帰する伊藤大輔と、ビヨン・ビルドハイムが乗る6号車「ENEOS SC430」は、同措置「+1」で25kg減。ピーター・ダンブレック/片岡龍也組の35号車「宝山 KRAFT SC430」は措置こそないものの、ウェイトハンデゼロという状態だ。
「日産 GT-R」勢と「ホンダ NSX」勢に関しては、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/荒聖治組の24号車「WOODONE ADVAN Clarion GT-R」と、金石勝智/金石年弘組の17号車「REAL NSX」が措置「+2」の50kg減。松田次生/セバスチャン・フィリップ組の12号車「カルソニック IMPUL GT-R」はウェイトハンデ10kgだが、措置「+1」があるので、トータル15kg減。そのほか、軽めのウェイトハンデは、井出有治/細川慎弥組の100号車「RAYBRIG NSX」が10kg、ロイック・デュバル/平中克幸組の32号車「EPSON NSX」が30kgとなっている。