GT300の決勝出場台数は26台(予選落ちの4台の内3台は、条件を満たしたため最後尾から参加)。また同クラスも、スタート時にインターミディエイトを装着したチームが多かった。ドライを履いたのは、織戸(パートナーは阿部)の乗る19号車「ウェッズスポーツIS350」(予選3位)と、谷口(パートナーはファーンバッハー)の乗る26号車「ユンケルパワータイサンポルシェ」の2台だ。

GT300クラスは、まずオープニングラップから波乱。王座争いをしているランキング2位の46号車「MOLAレオパレスZ」(星野がドライブ、パートナーは安田)が接触してスピン。予選9番手スタートから、一気に23位まで後退してしまった。しかし、毎周回のごとく順位を上げていき、7周目には13番手まで復帰する。王座争いで2点リードする43号車「ARTA Garaiya」(新田がドライブ、パートナーは高木)が後退してきたのもあり、9周目には43号車が11位、46号車が12位でバトル開始。13周目には、46号車がパスすることに成功した。

一方、トップは19号車。そして同じスリックだが、19号車よりもハードなものをチョイスした26号車が食らいついていく。そして17周目、先にタイヤが痛んでペースが落ち始めた19号車を26号車が逆転、遂にトップに立った。

最後尾に近い23位にまで落ちてしまった46号車

スリックを履いた者どうし、ドリフト出身のふたりがマッチレースを展開

再び接触のアクシデントが起きたのは、18周目。接触事故の起きやすいダンロップコーナーで、46号車と33号車「HANKOOK PORSCHE」(景山がドライブ、パートナーは木下)が絡んでストップしてしまったのだ。そこへ43号車が来てしまい、運悪く33号車と接触。これで、43号車もダメージを負ってしまった。

雨が降り出した25周辺りからルーティンのピットストップが始まり、30周半ば位には上位陣が終了。この時点で、26号車(谷口→ファンバッハー)がトップで、予選10番手スタートの62号車「WILLCOM ADVAN VEMAC 408R」(黒澤治樹→柴原眞介)が2位、19号車(織戸→阿部)が3位という展開だ。

そこへ猛追をかけてきたのが、ポールスタートの77号車「クスコDUNLOPスバルインプレッサ」(カルロ・バンダム→山野哲也)。一時は20位まで後退してしまったが、ウェット路面になるとAWDの真価を発揮して、35周目には7位まで復帰することに成功する。その後も確実にポジションアップし、52周目には3位に。だが、77号車の快進撃もそこまでで、この後は上位陣の順位変動はなく、62周でGT300はフィニッシュとなった。

13コーナーを立ち上がる26号車

2位には、62号車「WILLCOM ADVAN VEMAC 408R」

猛烈な追い上げで3位の座をゲットした77号車

しかし、問題は王座争い。43号車は9位でゴールインし、46号車も7位フィニッシュで、王座は43号車が獲得するものと思われた。しかし、6位を走行していた同じ日産勢の81号車「ダイシン ADVAN Z」(青木→藤井)が、最終ラップの最終コーナーで急激なスローダウン。46号車がパスし、まさかの6位フィニッシュとなったため、1点差で逆転王座獲得。81号車を擁する「TEAM DAISHIN」の大八木信行監督によれば、「燃料系のトラブル」ということらしいが……。これに対し、43号車を擁する「AUTOBACKS RACING TEAM AGURI」が抗議を行うものの、審査委員会がこれを却下。さらにチーム側がそれを不服とし、控訴が提出されたため、JAFでの扱いに。GT300クラスは裁定が下されるまで、今回の順位もチャンピオンシップも暫定扱いとなることとなった。なんとも、後味の悪いGT300の最終戦となり、残念である。

43号車は痛々しい姿でフィニッシュ

ほぼ最後尾から6位フィニッシュ、逆転王座獲得かと思いきや

最終ラップ最終コーナーで「燃料系のトラブル」で急減速して46号車を先行させた81号車