千代田区のパレスホテルでは来年1月31日まで、同ホテル一時休館を前に「休館イベントフィナーレ」を開催している。各種イベントを通して同ホテルの約半世紀にわたる歴史とその間に磨かれた味ならびにサービスに触れてもらおうというもの。ホテル内レストランでは、初代総料理長の田中徳三郎氏より受け継いだ伝統の味を提供する企画「伝統の逸品」を実施中だ。同ホテルは休館後に施設の建て替えを行い、2012年には営業を再開する予定。

初代総料理長の田中徳三郎氏

田中徳三郎(1977年没)はフランス料理を日本に定着させたと称されるカリスマシェフ。昭和4年にフランスに渡って何軒もの名店で修業を積み、帰国後終戦を経て料理長として腕を振るっていたが、昭和36年、その年に新しく開業するパレスホテルの総料理長就任の打診を受けた。彼がこの打診を引き受けてから開業までのわずか3カ月で書き上げた「西洋料理事典」は、日本初の本格的な料理用語解説集として後世の料理人に広く読まれる一冊となった。

田中はフランス人もうなるフランス料理を作ることにこだわり、日本人の好みに迎合せず、正統派のレシピに基づく本物のフランス料理を提供することに努めたという。彼がパレスホテルに伝えた料理は、舌平目のボンヌファム、今や結婚式の定番メニューとなった伊勢海老のテルミドール、オニオングラタンスープなどのフランス料理のほか、スモークキングサーモン、イギリスの名店「シンプソンズ」の味を伝えるローストビーフなど「正統派」と「本物」へのこだわりで作られたものばかり。「休館イベントフィナーレ・伝統の逸品」ではこれら田中徳三郎が伝えたメニュー全12品を彼から引き継いだ味そのままに提供するという。924円~1万2,705円(サービス料・税込)。

「伝統の逸品」メニュー例を紹介する。

伊勢海老のテルミドール

伊勢海老のテルミドール
(提供レストラン:クラウンレストラン)
イセエビ一尾をぜいたくに使った逸品。シャンピニヨンとともにブランデーで香りづけし、白ワインでエビの旨みを引き出す。素材の味を最大限に生かす特製のホワイトソース、オランデーズソースと共に、エビの旨みをチーズで閉じ込めるように焼き上げた一皿からは華やかな香りがあふれるという。12月1日からの提供。1万2,705円(サービス料・税込、予定価格)。

舌平目のボンヌファム

舌平目のボンヌファム
(提供レストラン:テラスレストランスワン)
田中徳三郎が70年以上前にパリより持ち帰ったレシピを基に作られる正統派フランス料理。ふっくらと肉厚な舌平目に上質なバターをたっぷり使って丁寧に作り上げたコクのあるソースを掛け、表面を黄金色に焼き上げた一皿。濃厚なソースが柔らかな身に絡まり、香ばしく芳醇な味わいが楽しめるという。4,389円(サービス料・税込)。


ローストビーフ

ローストビーフ
(提供レストラン:テラスレストランスワン)
ホテル開業以来受け継がれている味わいは、本場イギリスの名店「シンプソンズ」から伝えられた味をアレンジしたもの。素材の旨みを引き出すために一定温度で熟成させ、3時間かけてじっくり焼き上げる。とろける柔らかさとしっかりと封じ込められた極上肉の旨み、そして口いっぱいに広がるジューシーな味わいが楽しめる逸品。コース料理で8,662円。単品では140g 6,352円、200g 9,240円(いずれもサービス料・税込)。

このほかのメニュー

  • スモークキングサーモン
  • ビーフシチュー
  • オニオングラタンスープ
  • 海の幸ピラフ伝統の"シャトーソース"を添えて
  • ドゥミグラスソース
  • ベイクドアラスカ~焼きアイスクリーム~
  • クレープシュゼット
  • グランマルニエスフレ
  • マロンシャンティイー