――演じるにあたって、気をつけていた点はありますか

誰に注意されるとか、誰にアドバイスを受けるとか、そんなことはさせませんよ。僕がブサイクなんですから。アドバイスをするやつなんか、僕よりブサイクじゃないんです。ブサイクのことはオレがいちばん知ってますし(語気を強める)、ブサイクな人生を送ってますし(さらに語気を強める)、これからもブサイクな人生を送るんですから(これでもかと語気を強める)、誰にどうこうは言わしませんよ。できるもんならしてみろって感じですかね。(一同笑)

――とくに大変なことはなかったんですね

そうですね、ブサイク役を演じてるっていうより、ブサイクな僕がブサイクなまんまやってるという感じではあります。まさか、映画終わってからもこんなにブサイクって言うとは思っていませんでした(笑)。ここまでたくさんは他の取材では言ってないです。

北川景子にマジギレ!? アイドルに利用される塚っちゃん

――映画の中で北川景子さん演じる寛子に、琢郎が優しい言葉をかけられて、「ブサイクはそういう言葉にふりまわされる」というセリフがあり、とても印象的でした

あれに関して言わせてもらいますと、琢郎が寛子ちゃんに言ってると思ったら大間違いで、僕が北川景子に言ってますね。"お前、何、勘違いしてるんだ、なぐさめなんていらんよ"と。僕として単純に北川景子にムカついてる感じになってます。すげえ分かるから、琢郎の気持ちが。

琢郎が想いを寄せる寛子(北川景子)

テレビとかでもね、アイドルの子ぉとかが、"タイプは塚地さんです"みたいなことを言うんですよ。明らかに僕が利用されてる。

向こうの好感度が上がるじゃないですか。木村拓哉さんですと言うより、オレですって言うほうが、あ、この子外見で判断しないんだ、とか、なんかコアなところが好きなんだ、と。ファンの子たちもオレに近いこの方が多いでしょうから、オレでもいけるんじゃないか、というふうになる。そういうところを利用されるわけですよ。それが何度もありまして。

ただ、なかにはマジな人もいるんじゃないの? と言ってもらうこともあるんです。全員が全員そういうことではなく、本気の人もいると思うよ、と。そうなのかなと、多少本気にとったことがあったんです。

……番組収録中にあるアイドルの子から"好きなんです、好きなんです"と言われて。それで収録終わって、メールアドレスでも渡されるかもなと思いながら、楽屋へ行って「おつかれさまでしたー」と言ったら、「おつかれしたー」で終わり(笑)。なんや、マジで利用や。そういうのが何度も積み重なってるので、あそこでああ言われた拓郎の気持ちは、誰より分かる。だから、もう完全に僕としてキレてますね