ポール・ゴーギャンの最高傑作といわれる『我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか』を中心とした「ゴーギャン展」が来春から公開される。

米国ボストン美術館所蔵の『我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか』は、ゴーギャンの最重要作品の一つとされ、過去に1949年と2003年の2回しか館外に貸し出しされていない。門外不出に近いこの作品が、今回日本に初来日することになった。

《我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか》ボストン美術館蔵 Tompkins Collection-Arthur Gordon Tompkins Fund, 36.270 Photographc2008 Museum of Fine Arts, Boston. All rights reserved.

『我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか』は、ゴーギャンがタヒチ滞在中、病気や愛娘の死といった過酷な状況下で、自分が死ぬ前にこの作品を描きたいとして取り組んだもので、画家自身が「傑作になる」と信じて描いたという。幅約4m、縦1.7mという巨大なキャンパスに『我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか』という詩的なタイトルが記され、若い女性や老婆、赤ん坊や動物など、さまざまな隠喩を含んだモチーフが散りばめられている。ゴーギャン自身はこの絵の表すメッセージについて明確な説明を残しておらず、見る人それぞれが、何かを感じ、問いかけられる作品として圧倒的な存在感を示している。

名古屋会場では、本作品を核に、ボストン美術館が所蔵する油彩画や木彫レリーフに、国内美術館が所蔵する作品を加え、約40点を展示。一連の作品からゴーギャンの生涯に迫り、ゴーギャン作品が問いかける生と死の意味や存在意義を問い直していく。 東京会場では、同じく『我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか』を核に置きながら、生涯を追うのではなく、制作プロセスや画家が繰り返し描いたモチーフなどに注目。ゴーギャンがイメージソースとした非西欧圏の民族文化や独特の創造の方法などに迫る内容で、ボストン美術館所蔵作品に加えて国内外の美術館が所蔵する作品約50点を展示する。

ゴーギャン展概要

■名古屋会場

会場 名古屋ボストン美術館
住所 名古屋市中区金山町1-1-1
会期 2009年4月18日~6月21日
主催 名古屋ボストン美術館、ボストン美術館、NHK名古屋放送局
url http://www.nagoya-boston.or.jp/

■東京会場

会場 東京国立近代美術館
住所 千代田区北の丸公園3-1
会期 2009年7月3日~9月23日
主催 東京国立近代美術館、NHK、NHKプロモーション
url http://gauguin2009.jp