社長のダイナミックすぎる思いつきに付き合うメンバーは豪華キャスト

九死に一生を得たスタークは米軍に拾われ帰国し、そのまま出席した記者会見で兵器開発から撤退することを発表する。これを聞いて「オイ待てよ」というのが、実質的にはCTO兼広告塔といった立場のスタークに代わって会社の経営を牛耳っている側近のオバディア・ステイン。誰このハゲオヤジ? と思ったら、ジェフ・ブリッジスじゃないの!? 原作に合わせた役作りとはいえ、よく剃ったなあ。あと、スタークの秘書ペッパー・ポッツをグウィネス・パルトローが演じていて、母親的役割から「友達以上、恋人未満」となる展開をうまいこと醸し出してる。ついでにマーベル作品のお約束、スタン・リーも、わかりやすいカメオ出演してます。

ステイン役のジェフ・ブリッジス。『ラスト・ショー』(1971)でアカデミー助演男優賞にノミネートされたのを皮切りにコンスタントに大作へ出演している

今や二児の母グウィネス・パルトロー。美しさは相変わらずです

さて、スタークの「兵器開発撤退発言」を受け会社の株価は暴落。ステインは「社長はショックを受け混乱している」と発言を無かったことにして、役員会はスタークの解任も検討する。まあ当然といえば当然。このままじゃ会社つぶれちゃうもんね。こういう放言癖のあるトップのいる会社の人はホント大変そう。

「会社? シラネー」とばかりにアイアンマン道を突き進む

スタークは解任の危機もどこ吹く風で、自宅で療養しながら新開発のパワードスーツの開発に没頭していく。脱出の衝撃でこの第一作のスーツは全壊するんだけど、肝心の動力源はスタークの胸に埋め込まれてるので、あとはガラだけ作ればOKなワケ。この設定はうまい。金持ちだからいくらでも開発費をかけられるし、自分一人で開発しているから秘密を盗まれることもない。スーツだけ盗まれたりコピーされたとしても、肝心の動力源が自分の中にしかないから動かせない。弱点ないじゃん!……まあ最後に全部破られちゃうわけだが(笑)。

動力源は胸に

美女に見守られながらうなるほどあるオカネでパワードスーツを開発…男の夢ですな

この新型アーマースーツの開発シーンが見どころのひとつ。3次元CADで合成したホログラム映像を、実際に腕に装着してシミュレートしていくクールなハイテク設計なのに、実際の製作ではハンダゴテ握ったりしてる(笑)。軍も会社も信用できないから、自ら兵器を作って悪人退治に出かけるという「暴れん坊将軍」並みの発想だ。シャチョー、せめて成敗は峰打ちにしとけ!

おかげで米軍機に撃墜されかかったり、「国土防衛なんちゃら…」(Strategic Homeland Intervention, Enforcement…)と名乗るヤバそうな組織に目をつけられたりと苦しい立場に。この「国土なんちゃら」がエンディングの布石になってるので見逃さないように。やがてマンガ読者にはおなじみの敵キャラも登場して、一気にクライマックスに突入する…。

飛行シーンはスピード感たっぷり。ちなみに装着シーンも超必見

もうパート2の制作も決まっているそうで、すでに出演している「ハルク」など他のマーベルキャラとの競演も期待される『アイアンマン』。シャチョーの有り余る行動力から生み出される超展開もさることながら、男子の夢とも言える要素がギッチリ詰まってます。小ネタも満載なので細かいところに注目しながら観るのが吉かと。

Yes,I can fly!

『アイアンマン』は9月27日より日劇3ほかにて全国ロードショー!

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