2005年の大ヒット作『バットマン ビギンズ』を手がけたクリストファー・ノーラン監督のシリーズ最新作『ダークナイト』が、8月9日より全国ロードショーされる。これを記念し、クリスチャン・ベールらキャスト・スタッフが来日。記者会見が29日、都内で行われた。

左から製作のチャールズ・ローブン、キャストのクリスチャン・ベール、マギー・ギレンホール、アーロン・エッカート

全米での公開後、興行記録をつぎつぎと塗り替える驚異的な人気を誇る同作について、クリストファー・ノーラン監督は「すごく驚いている」とコメント。記者からのヒットの要因は? という質問には「それが分かれば、どの映画もその方法で作っているよ(笑)」と苦笑い。一方のキャストたちは「映画に関わった方々が、本当に素晴らしい才能の持ち主だった」と口を揃えて絶賛した。

クリストファー・ノーラン監督。「キャストもスタッフも素晴らしく、ハリウッド大作映画が大好きだった、少年の頃の夢がすべて叶いました」と上機嫌だった

「空き時間は、バットマン人形やバットポット、ビデオゲームといったおもちゃで遊んでました」と語る、バットマン役のクリスチャン・ベール

"バットマン"を演じたクリスチャン・ベールは、今年初めに急死したハリウッドの若手カリスマ俳優、ヒース・レジャーに触れ「ヒースは混沌と破綻の象徴とも言える"ジョーカー"という役を、楽しんで演じていたよ」と語った。ノーラン監督も「彼の演技は以前から素晴らしいと思っていたが、本作でも"ジョーカー"というアイコンを自分のものにして、ユニークかつ新鮮な演技をしてくれたね」とコメント。ほか「一緒に演じられたのが誇り」(アーロン)、「本当に自由で、あらゆるものを超越していた」(マギー)と、各人が惜しみない賛辞を送っていた。

派手なスタントや大胆なアクションが見どころの一つではあるが、製作のチャールズ・ローブンは「ただの娯楽作品というだけではなく、映画館を出たあと、現代社会の問題について深く考えさせられる」作品だと語った。また、大きな映写映像を作ることが可能であるIMAXカメラを使ったはじめての長編大作映画であり、そのリアルな映像美にも注目が集まる。

人々の持つ「善と悪」の価値観をぶち壊す「史上最大の悪党」ジョーカーを、バットマンは倒すことができるのだろうか――そこには一筋縄ではいかない人間ドラマ、つまりは究極のエンタテインメントが待っている。

『ダークナイト』は、2008年8月9日より、丸の内プラゼールほかで全国ロードショー。 8月2日、3日の先行上映も決定している。