「船釣りビギナー教室」は、東京湾遊漁船業協同組合が定期的に開催している船釣り初心者を対象とした実釣講習会。毎回、有名インストラクターを招いて、旬の釣り物の釣り方やおいしい料理の方法などをレクチャーしてくれるイベントとなっている。

スルメイカ釣りを体験しよう!

出発前に藤井魚聖氏との記念撮影。この日集まった参加者は女性2名を含む18名だ

今回は、テレビや雑誌などでおなじみの藤井魚聖氏を講師に招いて、スルメイカを対象とした船釣りビギナー教室が川崎の船宿中山丸で開催された。当日は、梅雨まっただ中の曇り空であったが、集合時間の朝6時半には受付を済ませた参加者が続々と船に乗り込む。藤井氏も到着し、初心者の準備を手伝いながら出船時刻を待っていた。どんな釣りでも、大きな期待と少しの不安が混じった出発前の待ち時間は気分が高まってくるものだ。特にこの日は、船に乗って沖で釣りをするのが初めてという人や、他の釣りの経験はあってもスルメイカ釣りには初挑戦というイカ釣りビギナーも多かったため、期待の高さがタックルを準備する熱心な姿に見て取れた。

スルメイカ釣りには「プラヅノ」と呼ばれるプラスチック製の疑似餌を7~8本付けた仕掛けが用いられる。それを水深100mほどの海に沈めるため、使用するオモリはかなり重めの120号となるのだ。巻き上げる距離の長さとオモリの重さから、全員が電動リールを使用するタックルを選択しており、この日のために買い揃えたというビギナーもいた。

スルメイカ釣りで使用される疑似餌「プラヅノ」

参加者のタックル準備を手伝う藤井魚聖氏(右)

7時20分頃、いよいよこの日のポイントとなる剣崎沖に向かって出船となった。ポイントまでは約1時間の船旅となり、時折大きな波に乗って船が跳ねることもあったが、全員が船酔いすることもなく無事に到着。辺りには他の遊漁船や漁船がひしめいており、自分の釣り座で待機する参加者が、投入合図となるブザー音を待ちわびる。ポイント一帯にスルメイカが群れているのではなく、船長が魚群探知機でスルメイカの群れを見つけてから釣り開始となるのだ。

「プッ」というブザー音と共に、各参加者がオモリを海に向かって投げ入れる。スルメイカ釣りではこの瞬間が大きなポイントなのだ。なぜなら、スルメイカの群れはすぐに移動してしまうので、群れが船の下にいる間に仕掛けを群れのいる水深に到達させなければならない。また、プラズノをたくさん付けた仕掛けは、上手に投入しないと絡まってしまって釣りにならないのだ。

ポイントの剣崎沖に到着すると、同じスルメイカ狙いの遊漁船や漁船が集まっていた

投入の合図となるブザー音が鳴って、いよいよ釣り開始だ