Booksベストセラー週間総合ランキング3月28日~4月3日では、『ヘタリア Axis Powers』(日丸屋秀和)が新登場で4位にランク入りした。

3月28日~4月3日のBooksベストセラー週間総合ランキング(日販調べ)

順位 書籍名(出版社) 著者
1位 ダーリンは外国人 with BABY(メディアファクトリー) 小栗左多里/トニー・ラズロ
2位 ホームレス中学生(ワニブックス) 田村裕
3位 ぼく、オタリーマン。(3) よしたに
4位 ヘタリア Axis Powers(幻冬舎コミックス発行/幻冬舎発売) 日丸屋秀和
5位 夢をかなえるゾウ(飛鳥新社) 水野敬也
6位 B型 自分の説明書(文芸社) Jamais Jamais
7位 サイモンの災難 クラッシュ・ブレイズ(中央公論新社) 茅田砂胡
8位 ヘキサゴンドリル(扶桑社)
9位 流星の絆(講談社) 東野圭吾
10位 女性の品格(PHP研究所) 坂東眞理子

『ヘタリア Axis Powers』はWebサイト「キタユメ」で掲載中の漫画を書籍化したもの。タイトルにある「ヘタリア」とは「ヘタレなイタリア」の意。楽天的で、女性を見たら声を掛けるのが礼儀と思っていて、おいしい食べ物とワインがあれば幸せな国民―というイメージを持たれているイタリア。そんなイタリアは歴史を通して数々の戦争において見事なヘタレっぷりを発揮してきた。特に第2次世界大戦での駄目さ加減は今でも語りつがれており、「砂漠でパスタを茹でて水不足に陥った」という真偽不明な伝説も残るほど。本著ではそんなイタリアをはじめとした様々な国を擬人化し、それぞれの国民性や歴史・ネタ的な伝説を特徴豊かに描く。

単行本フィクション部門には『3月30日』(千原ジュニア)が新登場で5位にランク入り。本作はお笑い芸人である著者の自伝的小説第2弾。テレビ番組で人を笑わせる話を披露してする彼の陰にあった波乱万丈なストーリーが明かされる。笑いに対する著者の真剣さが読者にも伝わってくるような作品。

今週の注目

きらきら研修医リターンズ あやしい患者さん来襲!(アメーバブックス新社発行/幻冬社発売/織田うさこ/1,200円(税別)

「医師」と聞いて普通の人が抱くイメージは「金持ち」ではないだろうか。だがそんな世間のイメージとは裏腹に大多数の医師にとってその置かれた状況は決して恵まれたものではないようだ。本著の前書きで著者は「右を向けば医療訴訟、左を向けば過酷な労働環境」とその一端を伝える。

「日本一医師らしくない」と自認する著者は、女医でありブロガー。彼女の研修医時代の生活をつづったブログは昨年連続ドラマとして全国放送された。そんな彼女が研修医を終え、何やかんやを引っ提げて帰ってきた。今や患者に信頼される立派な皮膚科医である。

本著ではそんな勤務医の周りでドクターや看護師、患者らがくり広げるあり得ない出来事が数々紹介される。中には「油ものを食べた後に吸収を防ごうと思って廃油凝固剤を飲んだ」というメタボな患者さんなどのとんでもない事例も。驚いたり疑ったりして読み進めていくうちに、医療の現状や医師の直面している課題が読者にも伝わってくるはずだ。最後に書かれている「いい医者になるための近道」を読むと、自分もそんな医師に巡り会いたくなる。