──横見さんにとって、2人旅と1人旅の違いはありますか?

「それぞれによさがありますが、全然別物ですね。1人旅のよさは"自由"。気の向くままに自分の好きなように行ける。これが2人旅、特に今回の撮影のような女性との旅になると、1人旅のときのように"あんぱんが食事代わり"とは行かない。でも今までそういうことを考えないで旅してたから、新鮮ですね」

横見さんにとっては新鮮だった木村さんとの"2人旅"

──でも、やはり1人で気ままに旅をしたい?

「絶えず思ってますよ! 今すぐ旅に出たい。最近では仕事も忙しくなってきて、以前のように気ままに行けなくなりましたね。忙しいことはいいことなんですが、本当は今ある仕事を全部止めて、北海道の流氷が見たいな~。『北斗星』に乗って行くでしょうね~(妄想中)。行きたいところがいっぱいあって、ついつい時刻表を見ちゃったりするんですよ」

時刻表は"JTB派"

──その時刻表ですが、"こだわり"はありますか?

「時刻表は"JTB派"(JTBパブリッシング「JTB時刻表」)です。昔の世代にJTB時刻表を使う人が多いですね。JR派(交通新聞社「JR時刻表」)は、国鉄が民営化されてJRになってから使い始めたような若い世代の方たちが多く使ってます」

──旅に出る度に新たな時刻表を買うのですか?

「35年間、毎月買ってますよ。自宅には35年分の時刻表があり、かなりの量です。保管場所がなくなってきて、困ってます」

──今後、プライベートで計画されている旅のプランなどを教えてください。

「いっぱいあります。3月は"廃線イベント"がいっぱいだから、『その頃は一切仕事しないから』と周りに公言しています。そういう廃線の現場って、1人でしんみりとお別れしたいんですけどね、昨年のくりはら田園鉄道(宮城県)のお別れは、『最後のお別れだ』としんみりしていたら、ファンの方々に握手を求められちゃって……(苦笑)」

──10年後のご自身を想像されたりは?

「鉄道業界は変わると思うけど、僕自身については全く変ってないと思う。ただ、新駅が全国各地に散らばって開業していて、特に今年の3月あたりは新駅ラッシュ。僕の旅は、『新駅を見に行こう』など目的を持って旅に出ることが多いです。あと、完成したばかりの駅だけではなく、その土地に定着した駅の様子も見たいんですよね」

──昨今、女性の鉄道ファンが増えていますが、そんな"鉄子"たちに一言

「近場でもいいから、エリアや場所を決めて列車の旅に出ると楽しいですよ。切符を先に買って、そこから旅のプランを組み立てていってもいい。そういう時は想像力をつけるためにも、ぜひ時刻表を使ってほしいですね。時刻表はただの数字の羅列のように見えるけど、様々な情報が詰まっている。じっくりと見てもらいたいですね」

──ありがとうございました

プロフィール
横見浩彦
1961年生まれ。"乗り鉄"になったきっかけは、30歳のときにスキーで訪れた安比高原の駅。列車待ちの暇つぶしを兼ねて駅の構造を何気にメモ用紙に描いていると、意外な面白さにハマる。以降、降りた駅は全部メモ用紙に描くよう心がけ、1995年には因美線・美作河合駅にてJR全4636駅(当時)下車達成。2005年2月20日、上信電鉄・上州福島駅にて日本全国全駅下車を達成する。下車トータル駅数は9843駅。

横見さんに一問一答!
好きな女優: 太田博美のファンでした
鉄道以外の関心ごと: ない。これが全くないんだよ
鉄道以外の移動手段: 徒歩。ちなみにペーパードライバーです
好きな食べ物: 何でも食べる。味にうるさくない。安いのが好き
住んでみたいとこ: 北海道。隠居は北海道を考えてる。オホーツクの寂しげな地がいい
就寝時間: 眠くなったとき
情報収集ツール: ネットが多いかな
駅長になりたい駅: 上州福島駅かな。日本全国全駅下車を達成した駅だから
好きな鉄道: 大井川鐵道井川線

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