後にアニメ化もされる鉄道漫画『鉄子の旅』(小学館)に登場するトラベルライターのモデルにもなった横見浩彦さんは、2005年2月20日、上信電鉄・上州福島駅にて日本全国全駅下車を達成した鉄ちゃんの中の鉄ちゃんともいえる人物だ。そんな"乗り鉄最強の男"をフィーチャーしたCSテレビ番組『乗り鉄おすすめ! 鉄道トラベラーズ』がDVDとなって、22日に発売される。
発売元: ジャパンイメージコミュニケーションズ
『乗り鉄おすすめ! 鉄道トラベラーズ 小湊鉄道・わたらせ渓谷鉄道・大井川鉄道の巻』
『乗り鉄おすすめ! 鉄道トラベラーズ 銚子電鉄・茨城交通湊線・長良川鉄道の巻』
『乗り鉄おすすめ! 鉄道トラベラーズ 鉄道トラベラーズ 長野電鉄・天竜浜名湖鉄道の巻』
販売元: ジェネオン エンタテインメント
2月22日発売 各3,990円 各100分+特典映像10分
(c)ジャパンイメージコミュニケーションズ
『乗り鉄おすすめ! 鉄道トラベラーズ』はもともと、CS放送「MONDO21」などで好評オンエア中のテレビ番組である。旅の案内人・横見さんと、鉄道アイドルである木村裕子さんが全国各地の鉄道を紹介していく内容となっている。『乗り鉄おすすめ! 鉄道トラベラーズ』の番組制作スタッフが横見さんに注目したきっかけは、やはり彼の"偉業"、つまりは日本全国全駅下車を成し遂げたとき。スタッフたちは腕組みをして、「王選手のホームラン記録に並ぶ人だ」と思ったという。……ここからは横見さんに、作品の魅力や収録秘話を語ってもらうとしよう。
――どのような流れで番組の企画が立っていったのですか?
「最初は僕1人で列車に乗っていくという企画だったのですが、『それは正直キツいな~』と思って。誰か相手がいれば旅も面白くなるし、自然な表情も撮れるんじゃないかと思って木村裕子ちゃんに声をかけ、企画が進んでいきました」
──実際、撮影し始めた頃はどんな印象でしたか?
「『どうなるんだろ~!?』って感じで、全く先が読めなかったですね。でも、漫画のときと同じで『とにかく行ってみよう』と。その結果、最初の頃は僕も木村さんも激しく落ち込んだんですよ。『ダメだよ、コレ。番組にならないよ!』って(苦笑)」
──そこから番組として「行ける! 」と変化していったのですよね
「撮影スタッフの努力の甲斐あって(笑)。漫画は行ったときの流れのままに描けばいいんですけど、テレビとなると『表情が悪い』と言われたり、撮影中にトラックが僕たちの脇を走り抜けていって再撮になったり。でもそういう努力の積み重ねで、よい映像になっていったんだと思います」
──現在の撮影は、概ね"ダイヤどおり"ですか?
「う~ん、どうだろう。ほとんどぶっつけ本番だから、ちょっと怖いところもありますよね。前の晩にイメージしていたのと随分と違う現場だったりすることもあるんです。大井川鐵道(静岡県)のとある駅を訪れたときもそうでしたね。数カ月前に別の取材で行ったところだったんですが、その時は"今にも崩れそうな駅舎"があって、それを『絶対に番組で扱わねば! 』と思ってたんですよ。それで実際に行ってみたら『あれっ? ない!?』という想定外の展開。駅舎がなくなったたのです。これにはかなり焦りましたし、リアクションにも困りましたよ。その駅舎は、木村さんにも『よく見ておくんだよ』って語りたかったところなんですよ。もう、しばらく言葉になりませんでしたね。知ってたらそんな現場行きませんでしたよ(苦笑)」
──そういう場面にはしばしば出くわすのですか?
「撮影は行き当たりばったりですからね。僕はもう少し"鉄道の良さ"というのを真面目に伝えたいのだけど、映像的にはハプニングが盛り込まれていたほうがおもしろいようで……(苦笑)。わたらせ渓谷鐵道(群馬県)でもね、降りる駅を間違えちゃって『あ、違う! いっけねー! このシーン、みっともないから使わないでね! 』って言ってるのに、しっかり使われてました(笑)」
──撮影前にシーンをイメージしているとのことですが、降り立った駅はほとんど記憶しているのですか?
「都心の駅は結構飛んじゃってますね。『大手町と茅場町ってどう違うの?』という質問は厳しいものがある(苦笑)。やはり、田舎の駅になるほど印象に残ってますね」