Office 2008 for Macに同梱の日本語フォント「メイリオ」は、経済産業省が規定した新しい日本語の文字集合「JIS X 0213:2004」に対応している。JIS X 0213:2004は最新のJIS規格であり、それまでのJIS X 0208:1990に比べ、文字数が大幅に増加 (6,937 → 11,233)している。

字数が増えたこと以上に話題となっているのが、「異体字」への対応。たとえば、メイリオでは「葛」の下の部分は「匕」(斜線は左に出ない)ではなく、「└」の上に「人」となる。東京都葛飾区の場合、これが本来使用されるべき文字だが、JIS X 0208:1990では「葛」しか収録されていなかったために、やむなく代用されてきた経緯があるそうだが、メイリオであれば正しく表示できる。

メイリオフォントを使用したWord 2008の文書(左)を、メイリオフォントのない環境で表示したところ(右)。「葛」と「茨」の違いに注目

Mac OS X 10.5(Leopard)に標準装備されている日本語フォントのうち、ヒラギノ角ゴProNなど一部のフォントは(フォント名末尾に「N」がつく)、JIS X 0213:2004に対応している。その結果、それらのフォントを使用するかぎり、メイリオフォントから他のフォントに置き換えても異体字に変わる心配はない。なお、Office 2008 for Macにも多数の日本語フォントが収録されているが、そのすべてがJIS X 0213:2004対応というわけではないので、フォントを設定するときには注意が必要だ。

表8: Mac OS X 10.5の葛飾区本来の「葛」への対応状況

Mac Office 2008同梱 メイリオ
DFP勘亭流 ×
DFP教科書体 ×
DFP行書体 ×
DFP祥南行書体 ×
DFP痩金体 ×
DFP太丸ゴシック体 ×
DFP中楷書体 ×
DFP隷書体 ×
MS Pゴシック
MS ゴシック
MS 明朝
MS P明朝
Leopardに標準装備 Osaka ×
ヒラギノ角ゴPro ×
ヒラギノ角ゴProN
ヒラギノ角ゴStd ×
ヒラギノ角ゴStdN
ヒラギノ丸ゴPro ×
ヒラギノ丸ゴProN
ヒラギノ明朝Pro ×
ヒラギノ明朝ProN