Automatorのサポートは、Office 2008 for Macで実現されたMac Onlyな機能の1つだ。用意されたアクションは91種、Mac OS X標準装備のアクションと組み合わせれば迅速に自動化処理アプリケーションを作成できる。VBAマクロのサポートは廃止されたが、パーツを並べる程度で作業が完了するAutomatorのほうが敷居は低く、かつAppleScriptを利用したアプリケーション開発の道も残されていることから、Windowsで作成された文書との互換性さえ考慮しなければ、意外にダメージは少ないのかもしれない。

Office 2008 for Macには、91種のAutomatorアクションが収録されている

「スクリプトエディタ」で新旧Excelの用語説明を開いたところ。グラフィック関連オブジェクトでは、属性の項目数が増えている

標準装備されるAutomatorアクションは、ファイルを開く / 閉じる操作やフォーマットの変更、文書の結合といった基本的な作業が中心。SmartArtのようなOffice 2008の新機能を使ったアクションは見当たらないが、現在のAutomatorというアプリケーションの位置付けからすると、無理のないところだろう。

AppleScriptについては、各アプリケーションとも互換性を維持しつつ、機能アップに伴う変更を加えている。たとえば、新グラフィックエンジン「Office Art 2.0」の導入に伴い、ワードアートに設定できる属性情報が増えたため、AppleScriptでも「shadow」などオブジェクトの属性情報が大幅に増えている。

ところで、各Officeアプリケーションのメニューバー左端にある「Officeスクリプトメニュー」は、2008年1月現在のMac OS X Leopard(v10.5.1)では利用できない。この問題はLeopardの不具合に起因するもので、あらかじめ用意された数々のAutomatorアクション / AppleScriptは、Finderから直接実行しなければならない。なお、保存場所は「Microsoft Office 2008」→「Office」→「Office First Run」→「MUD」フォルダ以下だ。

表7: Office 2008 for Macに含まれるAutomatorアクション

ソフト名 Automatorアクション数
Entourage 25
Excel 17
Word 29
PowerPoint 20