トヨタ自動車は、米デトロイトで開催中の北米国際自動車ショーにおいて、2010年までにリチウムイオン電池を搭載したプラグインハイブリッド車を、米国を始めとした地域でフリートユーザー(官公庁や公的機関、バス会社など、一定の場所を走行するユーザー)向けに販売することを発表した。
プラグインハイブリッドとは、エンジンの発電による電力だけでなく、家庭用電源などから充電した電力も動力として使用できるハイブリッド自動車。短距離であれば、エンジンを動かさずに走行でき、そのぶん排出ガスを減らすことが可能になる。
同社は、2007年より日米欧でニッケル水素電池を搭載したプラグインハイブリッド車の公道実証実験を行っており、米国では、カリフォルニア州政府の環境技術開発支援プログラムのもと、11月よりカリフォルニア大学(アーバイン校、バークレー校)と協力し、公道実証実験を開始している。今回の発表はプラグインハイブリッド車の普及に向け、次のステップに進むものとしている。
また、今回のプラグインハイブリッド車に搭載されるリチウムイオン電池は、同社と松下グループが共同出資している「パナソニックEVエナジー」の大森工場における量産化を検討している。なお、写真は2007年7月25日に発表された時のもので、バッテリーにはニッケル水素を利用している。また、これは「プリウス」をベースにしているが、新しいプラグインハイブリッド車は別のモデルとなる可能性もある。
同社は、人や地球と共生するクルマ社会の実現に向け、様々な先進技術開発に取り組んでいく方針で、プラグインハイブリッド車のほか、FCHV(燃料電池車)、FFV(エタノールも使えるフレキシブル燃料車)、ディーゼルエンジンなどについても取り組みを進めており、近い将来、北米市場向けの大型ピックアップトラック「タンドラ」、大型SUV「セコイア」に、新型V8クリーンディーゼルエンジンを投入することを併せて発表した。