来年の干支である「ねずみ」の文字を題材にした「干支文字切手」

旧日本郵政公社(現郵便事業)は3日、来年の干支である「ねずみ」の文字を題材にした「干支文字切手」の販売を開始した。2004年度から好評のシリーズで今年が4回目の発行となる。全国の郵便局などで販売されるほか、郵便事業株式会社丸の内支店で通信販売を行う。

同切手には、財団法人毎日書道会の役員書家10人が揮毫(きごう)した様々な「子」文字10点が1シートに収められている。また版式刷色は、オフセット5色。印刷の段階で強く圧力をかける「エンボス加工」が施されており、文字の一つ一つが盛り上がっているという。さらに、切手背景には、0.3mmの細かな文字「微小文字(びしょうもじ)」で「平成二十年戊子(つちのえね)2008」とデザインがなされている。発行枚数は、130万シート(1枚に80円郵便切手が10枚)。

文字の解説は以下のとおり。
位置 シート構成/意匠 書家のコメント
左上 甲骨文系統の金文(きんぶん)の子(ね) 關 正人 殷・周時代はこの形が干支の「子」の専用文字であったため、この書体を使って創作した。
左中 隷意(れいい)を含む子 大楽 華雪 がっちりとした素朴性豊かな文字造形の中に、隷意の持つ伸びやかな筆線による大らかさを加えて表現した。
左下 隷書(れいしょ)を基にした戊子 後藤 竹清 「戊子」の二字を隷書を基調としながらも、いくぶん現代風に表現した。
中央上 甲骨文字による子 石飛 博光 子供の頭髪がどんどん伸びて、元気にはしゃぐ姿をイメージした。
中央中 小篆(しょうでん)の子 吉川 壽一 小篆の「子」の字に創を得、ワインと金箔と藍墨で明るい未来を表現した。
中央下 草書による子 矢萩 春恵 ねずみを「子の字形」でそれらしく、また可愛らしく表現した。ヒゲの部分を朱で入れ"よりらしく"なるように考えた。
右上 篆書(てんしょ)の子 初見 一雄 篆書の中の印篆体をもとに、素朴さと安定感のある姿を凸文と金箔で完成させた。
右中上 ひらがなのね 内山 玲子 古くから吉兆とされていた白ねずみに想いをよせ、ひらがなによる平明簡潔な表現とした。
右中下 石鼓文(せきこぶん)による子 水嶋 山耀 骨組みのたくましい健康そのものの子供から、活躍発展をイメージした。
右下 殷周(いんしゅう)革命を伝える金文の子 仲川 恭司 古銅器に鋳造されていた十二支の子で、愛嬌のある表情を求めた。