シートベルト固定式チャイルドシートでも簡単に固定する

ISO-FIXチャイルドシートはミスユースを防ぐために導入されました。しかし、車両への取り付けが簡単になったとはいえ、「テザーストラップ」や「バックル」の調節は必要です。ですから、「ISO-FIXだから絶対にミスは起きない」とは断言できません。ISO-FIXでもシートベルト固定式でも、安全の最低条件は「正しく使うこと」です。

汎用性ISO-FIXチャイルドシートの普及はまだ時間がかかり、現実的にはシートベルト固定式チャイルドシートを選ぶことが多いはずです。シートベルト固定式でも、簡単に取り付けられる機構を搭載したモデルもあります。

タカタの「takata04-neo」は、誰でも簡単・確実に固定できる「ママ楽ハンドル」という独自の固定機構を搭載しています。チャイルドシートの後ろにシャフトを置き、これにベルトを巻き取っていくという方式を採用しています。そのため人間の力では不可能なほど強力にチャイルドシートを固定します。実際に、「ママ楽ハンドル」を備えたチャイルドシートと、通常のタイプの違いを見せていただきましが、「ママ楽ハンドル」は回すだけでしっかり固定されていました。

そういった機構を持たないものはどうでしょうか? 現在のクルマはチャイルドシートを固定するために、シートベルトを全て引き出すとロックされる「ALR」機能を備えています。通常の取り付け方は、チャイルドシートに体重をかけながらシートベルトを巻き取り、ALRが働いたところで固定します。狭い車内で体重をかけながら固定するのは大変ですので、他の人に手伝ってもらうのもいいでしょう。どんなに安全基準が高いものを選んでも、取り付け方が間違っていては効果を発揮しません。「取り扱いやすさ」も重視する必要があります。

「ママ楽ハンドル」での取り付け方法。まずシートベルトをチャイルドシートの後ろに通す

続いてハンドルを回すと、シャフトが回転してシートベルトを巻き取る

シンプルで確実に固定できる「ママ楽ハンドル」

通常のチャイルドシートは体重をかけて固定。子どものために確実に取り付けよう

チャイルドシートの確認方法

チャイルドシートを固定したら、必ず確認してください。まずチャイルドシートの背もたれを持って強く引っぱります。体重をかけて引っ張っても、車両のシートとチャイルドシートのすき間が3センチ以内であれば正しく設置できたといえます。もし隙間が大きいようでしたら、もう一度固定し直しましょう。また、チャイルドシートの土台はプラスチックでできいるので、車両シートの素材によってはどうしても滑りやすくなります。カー用品店などで売られている滑り止め用のマットを使うと効果的です。

チャイルドシートの固定の確認が済んだら、子どもを固定するハーネスも確認しましょう。ハーネスは子供を乗せた後にベルトに弛みがないように引っ張って確認します。確認は毎回するクセを付けましょう。車両とチャイルドシートがしっかり固定していても、ベルトから子どもが飛び出したら意味はありません。また厳密には、子どもの服装は薄手の方がいいようです。コートのような厚着でチャイルドシートに乗せると、シートベルトを締めたように見えても衣服で弛みがでてしまい、衝突時に飛び出してしまう危険性があるからです。冬場はコートを脱がせ、ベルトをした上に毛布などを掛けてエアコンを使用するのが理想的です。