日産自動車は10日、第40回東京モーターショーに出展する車両と技術展示の概要を発表した。テーマは、ヒトとクルマの新しい関係を実現する「人にやさしい先進技術」、同社の強みであり財産でもあるという「ワクワクするドライビング」、触れた人々の心を魅了する「心に響くデザイン」の三本柱。なお、2001年以来、今回のモーターショー出展が約束されている新型「GT-R」については、24日に改めて概要を発表するとのことだ。

出展される主なコンセプトカーは「ピボ2(PIVO 2)」や「インティマ(Intima)」「ラウンドボックス(R.D/B.X)」「NV200」。ピボ2は日産の考えるフレンドリーイノベーションを具現化した電動シティコミューターで、詳細は先日発表の通り。インティマは自分やパートナーとの時間を優雅に楽しめる室内空間を実現したという新世代サルーン。日産が提唱する"モダンリビングコンセプト"をさらに発展させ、非日常の世界へさりげなく誘ってくれるとのことだ。随所にあしらわれたアーティステックな造形と素材の組み合わせ、ウェーブを巧みに取り入れたセンターコンソール、インストルメントパネルやコンソール、天井などに施された優美な間接照明などが特徴となっている。また助手席には、約80°外側に回転する機能を採用している。

インティマ(コンセプトカー)

インティマ 観音開きのドアは大きく開く。写真右はインパネ

インティマ 回転する助手席

ラウンドボックスは、すべての乗員に移動の楽しさを提供するという若者のための新感覚オープンコンパクトカー。ドライバーと他の乗員が安全に、楽しくコミュニケーションできる"キャッチボールディスプレイ"を装備する。乗員4名全員がコミュニケーションをとるのに最適な広さの室内や、ベンチ風の座面にサポート性の高いシートバックを組み合わせるなど、ミックスカルチャーの演出が生む未体験の価値を提供しているとのことだ。

コンセプトカーのラウンドボックス(R.D/B.X)。写真右は上方からのスタイル

ラウンドボックス 写真左はラウンドボックス室内、右はインパネ

NV200はビジネスプロフェッショナルに向けた新世代のLCV(ライト・コマーシャル・ビークル: 小型商用車)。ボクシーな収納スペースにシャープなフロントマスクを組み合わせ、エモーショナルなフォルムを表現したとのことで、プロ仕様の専用機材や装備、ウェアを効率よく収納できるようカスタマイズされている。出展車は各地の海を訪ねるオーシャンフォトグラファーの使用を想定。プロの仕事をサポートできるよう、スパイダーカメラのリモートコントロールパネルや、撮影した写真、映像の整理、編集が行える装備も搭載しているという。

NV200(コンセプトカー) 写真右は荷室のカートリッジを引き出した状態

NV200 写真左はインパネ。荷室はサテライトオフィスとしても使える

技術展示としては、アクセル開度に応じてエンジンの吸気バルブの作動角とリフト量を連続的に可変制御する「VVEL(バルブ作動角・リフト量連続可変システム)」、クリーンディーゼルエンジンのベースとなる「M9Rディーゼルエンジン」などが出品される。またピボ2搭載技術としては、従来の円筒形に比べて2倍の高エネルギーを実現しながら安全性も確保したという「コンパクトリチウムイオンバッテリー」も展示される。さらには、従来より飛躍的に高い出力密度を実現するディスク型の「3Dモーター」、車両の前後左右に取り付けられた4個の超広角(180°)高解像度カメラから得た映像を、車両上方から見下ろした映像のように表示させる「アラウンドビューモニター」、先行車との車間距離や相対速度に応じて運転操作をサポートする「ディスタンスコントロールアシスト(インテリジェントペダル)」なども展示物リストに加わっている。

M9R ディーゼルエンジン

コンパクトリチウムイオンバッテリー