東京国立近代美術館工芸館は6日より、「開館30周年記念展I 工芸館30年のあゆみ」を開催する。期間は12月2日まで。

ルーシー・リー 《マンガン釉線文碗》1970年頃

同館の建物は近衛師団司令部庁舎として1910年に建築された。1972年、国の重要文化財の指定を受け、さらに東京国立近代美術館の分館として利用することが決定。保存修復工事とともに改装が施され、1977年に近代美術の工芸を専門とする「工芸館」として生まれ変わった。現在、明治から現代までの工芸及びデザイン作品約2,600点を収蔵。陶芸や染織、漆芸といった約450点の伝統工芸作品を基礎とし、近代工芸の重要なコレクション形成に努めている。

同展では、開館にいたるまでの経緯やこれまでの展覧会の歩みを紹介するほか、今までに開催された展示会を、作品とともに振り返る。友禅作家で重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された森口華弘の「縮緬地友禅訪問着 菊」や、人形作家・四谷シモンの「解剖学の少年」など、伝統工芸から近代工芸まで、幅広い分野の作品を鑑賞することができるのも特徴だ。

森口華弘 《縮緬地友禅訪問着 菊》1970年

四谷シモン 《解剖学の少年》1983年

観覧料は一般が300円、大学生が180円、高校生が90円、中学生以下、または65歳以上は無料。なお、10月7日・11月3日・4日・12月2日は無料観覧日に設定されている。開館時間は10時~17時まで、毎週月曜日が休館日(ただし、10月8日は除く)。