――プラグスーツについては、いかがでしたか。
「前回の商品化では、テレビ版だったので、モールドとかがない、つるんとしたデザインだったんですけど、今回のは貞本義行さんがコミックで描いてこられたものに近いですね」
――テレビ版よりは、凹凸のある……。
「ええ、足のラインとかですね。こういったものがテレビ版だと結構省略されちゃってるんですけど、商品化したものではしっかり掘り込んでありますね」
――資料を拝見しますと、「顔を中心に完全新彩色」とありますが、これはどういったことでしょう。
「前回の商品化のときに作ったマスクを破棄して全部作り直してますので、彩色に関してはすべて新しくなったということです」
――その「マスク」というのは、どういったものですか?
「"マスキング"の"マスク"ですね。彩色する際に、色を付けるところだけスリットが入っているマスクと呼ばれるカバーを被せて上からスプレーを噴くと、その部分が着色されるんです」
――サイズとしては、素体のサイズそのままなんですか?
「実はこちらの素体って、もう少し背が高いんですよ。足首の部分の長さを変えることで、2ミリぐらい調節できるんですね。で、最初は最近のフィギュアの流れで、スーパーモデル体型といいますか、足の長い物を持ち込んでいたんですが、『この娘たちは中学生だから、こんなにスタイル良くないです』と、ガイナックスさんにはねられまして(笑)。『じゃあ、短いのもありますので、そっちに替えます』ということになりました。だから、実際のオリジナルのミクロマンの素体よりは、少し小さくなっています。『スタイルを良くしろ』っていう指示が出るのかと思ってやってたら、意外なことにガイナックスさんから逆の指示が出たんですね。言われたとおりに足を短くしてみたら、スカートの丈とのバランスとか、イラストに近くなりましたね」
――今回、こだわったポイントは、どんなところでしょう。
「ウエストの細さにはこだわりをもって極限まで細くしています。あと、服を着せちゃうとダブダブしちゃうんですよ。それがすごくイヤで(笑)。初めは袖なんかも軟質素材を使ってやろうかと思っていたんですけれど、そうするとヤボったくなってしまいますので、硬い素材で袖を作ってるんです」
――その素材というのは、素体の材質と同じ?
「同じですね」
――布で作ったりすると、さまにならないわけですか?
「どうしてもミクロマンの大きさに対して素材の厚みが厚すぎるんで、これは小さいフィギュアは全部そうなんですけど、1/18スケールぐらいになってくると布自体の厚さが18倍になるわけですから、ほんの数ミリの厚さでも1cmぐらいの厚さの布と同じ感覚になってしまいます。難しいんですよね」
――この商品の特徴をうかがえますか。
「ミクロマンの特徴は、やはりいろんなポーズがとれるところですね。できれば劇中のポーズをすべて再現したい、というところでがんばりました。この劇場版を観た方も、以前のテレビ版を観てらした方も楽しめる商品になったんじゃないかと思います。この価格帯でよく動いて遊べる商品って、あまりないんじゃないでしょうか。やっぱりフィギュアの基本は、ポージングフィギュアっていうんですが、もうポーズが決まっていて、関節のないものが多いんですけれど、この商品に関してはいじってガチャガチャ遊んでいただければと思います。前回のリベンジでもありますけど、我々は自信をもって制服バージョンの動くフィギュアとしては決定版じゃないかなあ、というふうに思って作りました」
――ちなみに『制服Ver』に付いているカバンとノートPCは、どういう意図でセットになさったものなんですか?
「学校生活を再現するにあたって、やっぱりミクロマンは動く商品なので、小物がないと遊びの幅が広がらないだろうということですね。まあ、カバンとノートPCは授業風景で必ず出てきますので。プラグスーツのときは、武器を持たせればさまになるんですが、制服のほうでは、さてどうしよう? と思いまして。再現遊びに使っていただければ、ということで付けさせていただきました」