――森さんご自身は、そういうことを実践としておやりになってこられたわけですけれども、現在ではその経験を活かして、自ら代表取締役を務めるタレント事務所オフィスもりのナレーター・声優養成所Voice-1アカデミーで、受講生の皆さんの指導にあたられているとお聞きしていますが……。

「僕自身が、この世界で一番になりたいんですよ。一番というのは、誰が一番だからその人を追い越したいじゃなくて、とにかく一番になりたい。そのためには、本物のプロ志向をもたなければ、一番には届かないだろうなっていう思いでいつもやっているんです。これから目指してくる人たちも、本物のプロを目指して来てほしい。事務所をつくるときから、『オフィスもりは、本物のプロを目指します』っていうのが、スローガンなんですけれども、これから若い人たちがオフィスもりの門を叩いて修行するっていうときに、やっぱり心を伝える、伝えていく、本物のプロなんだ。そして、一番を目指そうっていうことを僕自身が伝えていきたい。僕自身もまだそれを目指しているし。ナレーションにしても芝居にしてもそうなんだけれど、これでいいっていうことはないんですよ。常に悩み、常に苦しみ、壁にぶちあたり……そうやって、死ぬまで闘っていかなきゃいけないんだなあ、って思うんですよね。で、自分が息をひきとる瞬間、『オレは、この世界にいてよかったなあ』と思って死にたい。そういうふうになれたらいいですけどね(笑)」

――本日は、貴重なお話をどうもありがとうございました。

(撮影:小林伸)