多くの漫画家のサイン色紙も、Comic Cozzleの見所の1つだ。これは野田さんやハクサン文化社が、漫画家のサイン会や打ち合わせなど機会があるごとに集めたもので、飾りきれないものまで含めると全部で100点以上にもなる。「作家の筆遣いを直接見られるのがとてもいいところ。他の店舗との差別化にもなるし、実際これだけを見に来る人もいる」(野田さん)という。

こうして店舗内を工夫するのは、割引価格でマンガ本が手に入るインターネット販売との差別化のためでもある。「価格面ではインターネットに勝てない」と野田さんが述べるように、わざわざ足を運んでもらって、インターネットよりも高い価格でマンガを買ってもらうには、それなりの理由がなければならない。そうした意味でも、直接見て触れて楽しめるというのは実店舗の強みと言えよう。

スポーツやホラーなど、夏特有の雰囲気を作り出している装飾。最初は野田さん1人で作っていたこれらの装飾も、今では一緒に働く韓国人スタッフも自主的に作るようになったという

2階にあるマンガ売り場。ジャンル別、性別ごとに整然とマンガが整理されているので目当てのものを探しやすい。ポップや装飾などで楽しい雰囲気作りを心がけており、書棚も低めに設定

1階から2階へ続く階段の壁は、サイン色紙ギャラリーだ。中には貴重な有名作家のサインもある。表に飾られるサイン色紙は不定期に変えられている

35,000~40,000冊という在庫の豊富さもポイントのひとつだ。「韓国で出ているマンガはほとんどそろっている」と野田さんが胸を張るように、品揃えに対する信頼感もComic Cozzleの強みとなっている。またこれは店舗の特徴柄そうなってしまったものだが、併設のカフェは、たまに漫画家と編集者との打ち合わせに使われることもあり、運が良ければ漫画家に直接出会えることもあるという。

こうした差別化の点がマンガ好きにも好評で、インターネットや口コミで噂が広がり、リピーターを増やし続けている。店内で唯一、日本語を話している野田さんもリピーターから覚えられるようになって、日本語で話しかけてくる人たちもいるという。開店以来、約20%ずつ来客数が増えており、現在1日の来客数は100人程度に達している。