8月4日の日本公開を控え、いよいよ期待と熱気が高まってきた『トランスフォーマー』。米国での興行収入が3億ドルを突破するかという破竹の勢いを見せる今作だが、その盛り上がりをさらに押し上げるべく、監督・製作総指揮のマイケル・ベイと、米陸軍大尉レノックスを演じたジョシュ・デュアメルが来日、23日に都内で記者会見を行った。

会場内に貼られた巨大ポスター

まず、マイケル・ベイが「トランスフォーマーのルーツは日本。素晴らしい題材を与えてくれて日本にありがとう、と言いたいね」と挨拶。続いてアニメ版『トランスフォーマー』のイラストがプリントされたTシャツを、満面の笑みで報道陣に見せつけながら登場したジョシュ・デュアメルも「東京に来るのが夢だったんだ。それが自分が出た映画のPRっていう形で実現することができて本当に嬉しいよ。『トランスフォーマー』はものすごく楽しんで撮影してたんだ。その興奮がそのまま日本のお客さんにも伝わればいいなと思う」。

マイケル・ベイ監督(左)とジョシュ・デュアメル(右)

その後は記者による質疑応答へ。ここからは一問一答形式でお伝えしよう。

――兵士を演じるにあたり、実際に海兵隊に入って訓練なさったそうですが

ジョシュ・デュアメル(以下:ジョシュ)「制作に入る前に、監督に『僕はキミたちを苦労させるタイプの監督だからしっかり訓練しておけ』って言われたんだ。だからかなり身体を作りこんで撮影に臨んだんだけど、それでも監督には足りなかったみたい(笑)。準備量としては、子供時代によくやった兵隊ごっこの100倍、ってところかな」

マイケル・ベイ(以下:マイケル)「ジョシュはあんまりよくなかったね。でもいい監督がついてたからよく見えるよ(笑)。ま、それは冗談として、いい顔してるでしょ? 主役取れる顔だよね」

――巨大なトランスフォーマーを相手に戦う気持ちは

ジョシュ「僕のシーンは爆発や銃撃戦が多かったから、まさに戦闘をリアルに感じられる現場だった。ほんとクレイジーなシーンの続出だったから、そこに実際にロボットがいない、っていう苦労はなかったね。その点、シャイア(・ラブーフ)はロボットと会話する場面もあったからそっちの方が大変だったんじゃないかな。僕はというと、長い棒の先に付いてるテニスボールに向かって銃を撃て、って感じだったから」

――世界中で大ヒットとなっているが、その要因は

マイケル「ちょうど僕が『アイランド』を撮り終えた時だったかな。スピルバーグが電話をかけてきたんだ。『トランスフォーマー』やらない?って。OKOK、考えておくよ、って切ったんだけど、その時は誰があんなバカなトイムービーやるか、って思ってたね。でもその後、会議室でジャパニーズアニメのスチール写真をたくさん見て、イメージが膨らんできた。これはものすごい大作が作れるかも、ってスイッチが入ったんだ。あ、ヒットの要因ね。それはジョシュが出てるからかも(笑)」

ジョシュ「きっとそうだよ! ってことは続編ももちろん出してくれるんだよね?」

マイケル「ハハ……」

ジョシュ「……」

――スティーヴン・スピルバーグとマイケル・ベイという二大巨匠からのアドバイスで「さすが!」と思ったものは?

ジョシュ「『キミをマッチョに撮ろうとしてるんだから、もっとカメラを男らしく見て!』って、マイケルに言われたよ(笑)」

「ジョシュ、Tシャツ、プリーズ!」というカメラマンの要求に必要以上のサービス精神をもって応えてくれたジョシュ・デュアメル

――初めて完成作品を見たときの感想

ジョシュ「やられた! って思った。小さいころ『ジュラシック・パーク』を観たとき、恐竜はほんとにいるんだって信じちゃったんだけど、それぐらいの衝撃だった。ひょっとしたらダメな作品になりかねないリスキーな企画だったけど、マイケルのおかげで素晴らしいものになった。それに自分が出てるってことを誇りに思うよ」

――日本での興行に対する期待は

マイケル「公開前に興行のことを話すのはバッド・ラックなことだからあんまり言いたくないんだけど、ほら、お守りもつけてるんだよ(と言いながら手首に巻いたヒモをさかんにアピール)。まあ、言っちゃうと世界中で7億ドルくらいいくんじゃないかなと。制作コストが1億5,000万ドルということからしてみても素晴らしい成績だよ。日本はほんとに大きなマーケットだから、期待しちゃうね」

――続編の制作が決まったばかりということだが、具体的なイメージは

マイケル「次の『トランスフォーマー』の撮影は日本、それも富士山の上で行います! ……冗談だけどね」

仲の良い兄弟のような2人の掛け合いに、場内には笑い声が絶えなかった。24日にはジャパン・プレミアが行われる。構想1年、制作費2億円という映画史上稀に見るこのプレミア・イベントの模様は後日みっちりとお届けしたい。