5月27日、東京・府中のJRA東京競馬場で3歳馬の祭典「第74回日本ダービー」が行われた。安倍晋三内閣総理大臣、2007年JRAキャンペーンキャラクターの織田裕二が来場。表彰式では安倍首相が優勝馬主に対し「内閣総理大臣賞」を授与、織田が表彰式プレゼンターを務めた。並居る強豪を抑え、優勝に輝いたのは牝馬のウオッカ。
この日は皇太子殿下が行啓され、今年4月にオープンしたばかりの新スタンド8階の貴賓室から日本ダービーを観戦された。戦後初、64年ぶりの牝馬ウオッカの優勝に「非常に良いレースを見せていただきました」と話した。
安倍晋三首相は昭恵夫人と共に観戦。現役の総理大臣の来場は安倍首相の祖父である岸信介元首相、小泉純一郎元首相に次いで3人目となる。昭恵夫人は出走メンバー中、唯一の牝馬であるウオッカの単勝を買った。安倍首相もそれに倣って複勝を購入したところ、見事に的中。
「『競馬は人生の縮図であり、これほど内容の詰まった小説は他に、ない。』というヘミングウェイの言葉があるそうですが、最後まで頑張ったものが勝つのだと思いました」と感激していた。表彰式では、優勝した四位騎手に「素晴らしいレースをありがとう」と声を掛けていた。
JRAの2007年キャンペーンキャラクターを務める織田裕二は、昨年のジャパンカップに続いてプレゼンターとして来場。
「(競馬場は)地鳴りのような歓声や緊張感、張り詰めた空気などがあいまって、コンサートとはちょっと違う独特の雰囲気がありますね。これはまさにライブでしか味わえないものだと思います」と、"現場"ならではの迫力を語った。また、優勝したウオッカについては「戦った後の目の強さがすごかった」と細部にわたりよく観察していた。
なお、日本ダービーで牝馬が優勝したのは1943年以来の快挙。レース内容やタイムは非常に優秀で、敗れた牡馬の陣営は「あのタイムで走られては仕方ない」「ウオッカが強すぎる」「まさか牝馬に負けるとは思わなかった」と舌を巻いていた。
騎乗した四位騎手は「牝馬と思わず、牡馬と思って乗った。ダービー挑戦はいいことだと思っていた。ダービー騎手になれて最高。もう(騎手を)辞めてもいいくらい」と、11度目の挑戦で手にした栄光の感激に浸っていた。
写真:中村康一 / はなおかたかこ