凸版印刷は25日、埼玉県の嵐山工場に電子マネーに用いる非接触ICカードの専用生産ラインを構築したと発表した。嵐山工場で製造し、朝霞工場で発行するといったこれまでの生産体制を一本化することにより、受注から生産までのタイムロスを大幅に低減。生産効率を従来より5割引き上げるとしている。
2007年は電子マネー普及元年とも言われ、電子マネー市場が急速に拡大している。交通系ではJR東日本の定期券・乗車券「Suica(スイカ)」をはじめ、3月には私鉄が「PASMO(パスモ)」を発行。流通業界でも各社独自の電子マネーの発行が始まっており、各分野での導入が進んでいる。同社によれば、業界資料による電子マネーの市場予測は、2008年には 3,100万枚(予測)のカード需要が見込まれており、旺盛な需要への対応が急務となっているという。
今回、専用生産ラインを構築したことで、本ラインでの電子マネー用非接触ICカード生産能力は月産100万枚、凸版印刷の非接触ICカード総生産能力の約3割を占めるとしており、今後同社では急拡大する電子マネー市場に対応していきたいとしている。ICカード事業の売上目標は2007年度で240億円、電子マネーの目標発行枚数は2007年度で2,500万枚を目指すという。