アウディAG(アウディ本社)は、5月16~20日に南オーストラリアのライフニッツで開催された「第26回 ヴォルターゼーツアー」で、TTロードスターをベースにしたハイパフォーマンスコンセプトモデル「アウディTTクラブスポーツクワトロスタディ」を公開した。ボディカラーはアウディRS4やS8で採用されているデイトナグレー。アウディでは同車の少量生産を検討しているが、日本市場への導入については未定としている。

アウディTTクラブスポーツクワトロスタディ

アウディTTクラブスポーツクワトロスタディは、「プレミアムレベルのスパルタンとは何か」をテーマに、TTロードスターを純粋なドライビングマシンに仕立てたコンセプトモデル。TTロードスターには備えていたキャンバストップやAピラーさえも省き、コクピットは通常のフロントウインドウではなく、ラップラウンド型スクリーンで保護される。また、アウディのエンブレムは通常のグリル中央ではなく、ボンネット先端に装着されている。エクステリアにはドアノブを備えずリモートコントロールにより開閉する(内側にはオープナーノブを備える)。リモコンのボタンを押すと、ドアはスプリングによって開くようになっている。ドアミラーは小型化されている。

ドアエクステリアにはノブを備えずリモコン開閉となる。キャリパーはオレンジに塗装され、セラミックブレーキが採用される

ホイールは20インチで、265/30R20の超扁平タイヤが装着される。マフラーはサウンドチューニングまで施される

シートはバケットタイプのレザーシートで、3インチ幅の4点式のフルハーネスが装着される。なお、スパルタンな1台という基本コンセプトに基づき、時計やオドメーターは省略されている。なお、TT市販モデルのダッシュボードには3個のエアベントが並ぶが、TTクラブスポーツクワトロでは、その中央にアウディのパートナー企業でもあるバング&オルフセンのMP3プレーヤーBeoSound2のインタフェースが埋め込まれている。

エンジンは、アウディS3に搭載された2Lの4気筒ガソリン直噴ターボエンジンを組み合わせ、インテークマニホールドの改良で300ps以上を達成したという。エアフィルターにはレーシングタイプのキノコ型を採用、エンジンに十分なエアを導入し、エキゾーストシステムにも排気音を含めて専用チューンを施し、レーシングカーそのもののサウンドを実現しているという。エンジンルームからはケーブルや、エアコン、ABSなどの補記類を排除したほか、エンジンにはカバーが施されていない。駆動系はクワトロフルタイム4WDシステムで、トランスミッションはデュアルクラッチ機構の採用でコンマ数秒単位で変速が可能な、6速のSトロニックダイレクトシフトボックスが組み合わせられる。

ホイールは20インチで、265/30R20のロープロファイルタイヤが装着され、トレッドも80mm拡大されている。また、ブレーキにはRS4、A8、S8などには既に導入されているセラミックブレーキをTTシリーズとしては初めて装着した。前後キャリパーはオレンジにペイントされている。

インパネもオレンジがアクセントとなる。メーターは真下から始まる

バケットタイプのレザーシートに、3インチ幅の4点式ベルトが標準装備される

エンジンは直4ガソリン直噴ターボの2L TFSIエンジン。最大出力は300PSに達するという