この半導体ニュースのまとめ
・ラムリサーチが米オレゴン州で新たな半導体研究開発ラボを着工
・延床面積は約1万1150m2で、クリーンルーム・ラボスペースを50%以上拡張
・成膜・エッチングプロセスなどを顧客と共同開発し、2028年の開設を目指す
Lam Research(ラムリサーチ)は8月26日、米オレゴン州テュアラティンの研究開発(R&D)センターにおいて、新たなオレゴン・ラボの起工式を実施した。
新施設は、同社が今後5年間で30億ドル超を投じるグローバル・ラボネットワーク拡張計画の第1弾となる。主要な半導体メーカーが集積するシリコンフォレスト地域に建設し、顧客との共同開発を通じてAI半導体に必要な製造技術の開発を加速する。
クリーンルーム・ラボスペースを50%以上拡張
オレゴン・ラボの延床面積は12万平方フィート(約1万1150m2)。完成後は、テュアラティンR&Dセンターのクリーンルーム・ラボスペースが50%以上拡張される見込みで、2028年の開設を予定している。
新施設では、先進的な成膜・エッチングプロセスの開発に加え、材料科学や装置のハードウェア検証に対応する。実験や検証を並行して進められる能力を高め、半導体製造装置とプロセス技術の開発期間短縮につなげる。
AI半導体では、トランジスタや配線、メモリ構造の微細化・高積層化に伴い、原子レベルで材料を形成・除去するプロセスの重要性が高まっている。成膜とエッチングの条件は相互に影響するため、装置メーカーと半導体メーカーが実際のデバイス構造や材料を用いて共同評価する体制が求められている。
顧客との共同開発を構想段階から支援
顧客はオレゴン・ラボにおいて、初期構想から自社ファブへの導入まで、装置・プロセス技術開発の各段階でラムリサーチのエンジニアと共同作業を行える。
新施設は、ラムリサーチが世界各地に展開する専門ラボのネットワークにも組み込まれる。各拠点の設備や研究者の知見を連携させ、地域をまたいで実験や検証を並行して進めることで、24時間体制で研究開発を進められる環境を構築する。
特定地域のラボだけで開発を完結させるのではなく、顧客の近くで得た実験結果をグローバルで共有し、別拠点の専門設備や技術も組み合わせることで、製造プロセスの課題解決を迅速化する狙いがある。
起工式にはIntel FoundryやMicron Technologyの幹部も参加した。Intelはプロセス開発や新技術の評価、MicronはAI時代に向けた製造能力の拡大において、ラムリサーチとの連携強化に期待を示している。
オレゴン州で過去最大の投資へ
オレゴン・ラボは、テュアラティン拠点で計画する複数棟の拡張プロジェクトの一環となる。拡張全体は、ラムリサーチにとってオレゴン州における過去最大の投資になる見込みだという。
第三者機関の試算では、3年間の建設期間中に約900人の雇用を創出し、5億ドルの経済効果をもたらすと予測されている。完成後はラムリサーチで400人超を新規雇用し、同社がオレゴン州全体で支える雇用数は1万1000人超へ拡大する見通し。州への年間経済貢献額も18億ドル超へ増加するとしている。
ラムリサーチはオレゴン州で30年以上にわたって事業を展開してきた。新たなオレゴン・ラボを、顧客との共同開発とグローバル・ラボネットワークを結ぶ中核拠点の1つとし、先進AI半導体に必要な成膜・エッチング技術の開発を加速していく考えだ。
