京都大学(京大)は7月3日、有識者会議において同大学が「国際卓越研究大学」の認定および体制強化計画の認可水準を満たし得るとの審査結果に至ったことが文部科学省により公表されたことを明かした。国際卓越研究大学に正式認定されれば第3号となる。
年間100億円規模・最長25年間の助成へ
国際卓越研究大学は、世界における研究力の相対的な低下を過大視する日本政府が“世界トップレベルの研究大学”を育成するために設けた制度で、世界最高水準の研究環境によって世界トップクラスの人材を結集させ、英語と日本語を共通言語とすることで海外トップ大学とも日常的に連携するとともに、授業料の免除などを通じてより研究に注力できる環境を整備するというもの。
なおその運用においては、政府および科学技術振興機構(JST)による約10兆円規模の「大学ファンド」の運用益が活用され、長期的かつ大規模な支援が行われるとのこと。多様な分野でトップクラスの研究者を集めて次世代研究者の育成機能を強化し、国内外の若手研究者を惹きつける多様性と包括性が担保された魅力的な研究環境を実現することが目指され、社会のさまざまな主体と対話・協調しながら“イノベーション・エコシステム”の中核的役割を果たす大学となることが期待されている。
そうした国際卓越研究大学には、過去に東北大学(2024年)と東京科学大学(2026年1月)が正式に認定されていた。一方で京大は、2025年12月に国際卓越研究大学の認定候補に選定されて以来、アドバイザリーボードとの対話を重ねながら体制強化計画案の磨き上げを行ってきたとのこと。そして今般、アドバイザリーボードにおいて京大の体制強化計画案について審議が行われ、国際卓越研究大学の認定および体制強化計画の認可の水準を満たしうるとの判断に至ったことが、文部科学省より公表された。
京大は国際卓越研究大学としての全学ビジョンとして、以下の3項目を掲げている。
- 自由で独創的な研究による知の創生によって、社会の多元的な課題解決と社会を変革するイノベーションの創出に貢献
- 世界のアカデミアを牽引する優れた研究者とグローバルに活躍する高度な専門能力を有する人材を養成・輩出
- 国際社会に開かれた総合大学として、世界から多様な人材が集う国際的な知の拠点(ハブ)を形成
これらの実現に向けては、「デパートメント制」の導入による学術領域を基盤とした新しい研究組織の確立を核として、独創的な学術研究成果を生み出し続けることのできる体制を構築していくとのこと。またデパートメントの研究力を基盤とした「学位プログラム制」の導入に基づく新たな教育システムの構築により、アカデミアのみならず多様な社会でグローバルに活躍できる高度人材を輩出していくとする。加えて、歴史と文化が蓄積する京都という風土・環境を活かして、世界中の優れた研究者・学生を惹きつける“知の拠点”となることを目指すとした。
なお今後は、高市早苗首相が議長を務める政府の総合科学技術・イノベーション会議などへの諮問を経たのち、正式な認定・認可が行われる見通しで、正式決定すれば京大は年間100億円規模の助成を最長25年間にわたって受けることができる。京大は、正式な認定および認可を目指して引き続き尽力していくとしている。