この半導体ニュースのまとめ

・SpaceXがTerafabの建設地を発表
・初期投資額は168億ドルだが、拡張フェーズが追加された場合の総投資額は大幅増加の可能性
・少なくとも3000人の雇用を見込み、その内60~80%が地元採用の予定

Terafab建設地はテキサス州グライムズ郡

2026年3月、イーロン・マスク氏はSpaceX(スペースX)、Teslaと共同で、ロジック、半導体メモリ、先端パッケージングを1つの施設に統合した、巨大半導体製造工場建設プロジェクト「Terafab」を発表した。4月には、テキサス州オースチン近郊の巨大なTeslaの自動車製造工場「Giga Texas」のノースキャンパスに、Terafabの前身となる研究開発用ファブの建設計画を発表。8月6日には、SpaceXがTerafabをテキサス州東部のグライムズ郡に建設することを発表した。

  • Terafabの完成予想図

    Terafabの完成予想図 (出所:SpaceX)

初期投資額は168億ドル(約2兆7000億円)とされているが、将来的な拡張フェーズが実現した場合、総投資額は大幅に増加する可能性があるという。SpaceXによると、工場が全面稼働した際の製造スペースは、1億平方フィート(約930万平方メートル)を超える規模になる見込みである。

同施設では少なくとも3000人が雇用される予定で、テキサス州にあるSpaceX/Teslaグループの他の拠点と同様に、新規採用者の60%~80%を地元から採用する方針の下、その多くがグライムズ郡および隣接するブラゾス郡から採用される見込みである。2026年6月には、郡委員会が3件の提案を4対1で承認したことを受け、このプロジェクトは固定資産税の100%減税措置を獲得している。

SpaceXとTeslaのチップ需要を合わせると、1TWを超える演算能力が見込まれており、これは現在の世界的な供給量を大幅に上回ることとなり、その需給ギャップを埋める存在がTerafabだとSpaceXは説明している。

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    SpaceXとTeslaのチップ需要を合わせると、1TWを超す演算能力が見込まれる (出所:SpaceX)

ロジック、メモリ、先端パッケージングを1カ所に集約

壮大なプロジェクトであるTerafabは、前例のない規模とスピードで新たなコンピューティングを構築することを目指した取り組みであり、高度なロジックデバイスとメモリデバイスの製造、先端パッケージング、テストが同じ屋根の下で行われる。これらの要素を1か所に集約することで、迅速かつ反復的な改善が可能になり、新たなコンピューティングの展開が加速されるとしている。

Terafabは、TeslaのOptimusロボットや自動運転のCybercabなどのハードウェアで使用されるエッジコンピューティングと推論に最適化されたチップに加え、SpaceXの宇宙データセンター運用向けに設計された高出力チップの製造も予定している。

現在、Terafabで働く種々の技術者(経験者)を米国および台湾を中心にグローバルに募集しているほか、Intelから技術支援を受ける予定で、Terafabの製造責任者には、Intelで17年以上のキャリアを持つベテラン技術者であるゲイリー・ジャン(Gary Jiang)氏が2026年6月に就任した。

Terafabの環境対策は万全を期す

なお、SpaceXとTeslaは、環境保護における責任を真摯に受け止めており、Terafabでは、地下水ではなくギボンズクリーク貯水池の水を工業用水として使用すること、敷地内に排水処理施設を設置すること、水の再利用と節水に取り組むこと、適用されるすべての環境法および汚染防止法を遵守すること、そして有害物質、化学物質、工業副産物をすべての適用法規に従って管理し、さらにそれらを上回るよう努めることを地元民に約束している。