この半導体ニュースのまとめ

・PTCがCodebeamer 3.3、Codebeamer AI 1.2、Pure Variants 7.3の提供を開始
・承認済み変更を製品バリアント間で自動展開し、構成管理を強化
・セマンティック検索によるAI検索アシスタントで要件検索を効率化

PTCは、アプリケーションライフサイクル管理(ALM)ポートフォリオの最新機能として、「Codebeamer 3.3」「Codebeamer AI 1.2」「Pure Variants 7.3」の提供を開始したことを発表した。今回のリリースは、エンジニアリングチームが日常的に直面する課題である、製品バリアント間での変更の一貫性維持と、必要な情報への迅速なアクセスを支援するものとなる。

PTCのALMポートフォリオは、自動車、医療機器、公共・政府、防衛・航空宇宙といった業界におけるソフトウェア開発および要件管理を支援する基盤と位置付けられているソリューション。今回の機能拡張では、トレーサビリティと変更管理を強化するとともに、規制要件や品質要件に対応したガバナンス機能を備えるAI支援機能を追加した。

承認済み変更を製品バリアント間で自動反映

Codebeamer 3.3では、構成管理を強化するデルタマージ機能が追加された。この機能により、承認済みの変更を関連する製品バリアント間で自動的に反映できるようになり、エンジニアが手作業で同じ変更を再適用する必要を減らせる。

また、バリアント系統を追跡するための新しいストリームタブや、ストリーム内で変更を承認できるユーザーを制御するロールベースのストリーム管理権限も追加された。さらに、PTCのPLMソリューション「Windchill」およびデジタルスレッドとの連携も強化したとする。

製品のバリエーションが増える中では、要件や仕様変更を複数構成にまたがって整合させる作業が開発現場の負荷となりやすい。Codebeamer 3.3は、こうした変更管理の自動化と権限管理を組み合わせることで、構成ごとの変更適用と承認プロセスを効率化する狙いがある。

AI検索アシスタントで要件検索を効率化

Codebeamer AI 1.2では、セマンティック検索を活用したAI検索アシスタントを新たに提供。従来の検索文字列の単純一致ではなく、検索の意図や意味を理解することで、より網羅的で正確な検索結果を得られるようにしたとする。

要件定義や変更履歴、テスト項目などが複雑に関連するALM環境では、必要な情報を探す作業そのものが大きな時間を要する。AI検索アシスタントは、こうした情報検索の負担を軽減し、エンジニアが設計や検証といった本来の開発業務に集中できる環境づくりを支援する。

また、Codebeamer AI 1.2では新たにIndexing Serviceも追加された。これにより、規制の厳しい業界において、データの処理方法や処理される場所を管理しやすくなる。AIを利用する場面でも、データガバナンスやコンプライアンス要件を意識した運用を可能にする。

Pure Variants 7.3でバリアント固有要件を自動更新

Pure Variants 7.3では、高速かつ効率的なストリームトランスフォーメーション機能が追加された。これにより、構成済みの製品バリアントを、Codebeamer内の要件のリンク付きコピーであるワーキングセットへ変換できる。

この機能では、対象バリアントに関連付けられた要件が、バリアント固有の機能や設定値を反映するよう自動的に更新される。そのため、要件を手動でコピーしたり、個別に調整したりする作業を減らせる。

自動車や航空宇宙、防衛、医療機器などでは、製品バリアントごとに仕様や規制対応が異なるケースが多い。Pure Variants 7.3は、こうした複雑な構成を持つ製品群に対して、要件管理とバリアント管理をより効率的に結び付ける役割を担う。

製品データ基盤をAI活用につなげる

PTCは、CodebeamerやPure Variantsなどの製品ポートフォリオを通じて、「インテリジェント製品ライフサイクル」のビジョンを推進している。製造業や製品企業が製品データ基盤を構築し、その価値を企業全体に拡張するとともに、AI主導の変革を加速できるよう支援する考えだ。

製品データを幅広く活用することで、企業はより高品質な製品を迅速に市場投入し、製品の複雑性管理や規制・コンプライアンス対応をより効果的に進められるようになる。今回のALMポートフォリオ強化は、AI活用を前提とした製品開発基盤の整備に向けた取り組みといえる。