AI投資ブームを背景としたメモリチップの世界的な供給不足が深刻化・長期化しており、企業業績や株価に大きな格差が生じている。2026年の決算資料や決算説明会でのメモリ価格への言及回数はすでに550回を超えている。

メモリ不足は2030年まで続く可能性

チップ不足の恩恵を受けているのはメモリメーカーだ。MicronやSamsung Electronics(サムスン電子)、SK Hynixは好調な業績を背景に株価が過去最高水準に達している。その中でもサムスンは、直近四半期のチップ事業利益が前年同期比48倍に拡大し、時価総額1兆ドル超えを達成。SanDisk株は年初来500%超の上昇を記録した。

NAND型フラッシュのコントラクト価格は2025年9月末比で600%超、DRAM価格も同400%近く上昇しており、JPMorganは「価格上昇は2027~2028年も継続する可能性がある」と分析している。

対照的に厳しい状況に置かれているのが、メモリを大量に調達する側の企業だ。任天堂はコスト圧迫を理由に「Switch 2」の値上げを発表し、株価は年初来30%超下落。Xiaomiやキヤノンも同様の懸念から株価が低迷している。Microsoftの「Xbox」、ソニーの「PS5」、MetaのVRヘッドセットでも値上げが相次いでいる。

市場関係者からは「メモリ不足は想定以上に深刻で、2030年まで続く可能性がある」との声もあるという。AI時代における半導体調達力が企業競争力を左右する構図が鮮明になっている。Bloombergが5月13日付けで報じ、決算資料などにおけるメモリ価格への言及回数が550回という数字は同紙が1999年以来、追跡してきた中で年間最多を更新している。