この半導体ニュースのまとめ

・三菱電機が第5世代SiC-MOSFET技術を発表
・スイッチング損失低減により電力変換効率を向上
・電動車や産業機器向けの省エネ化に貢献

三菱電機は6月4日、SiCパワー半導体として、独自のトレンチ構造を採用した第5世代SiC-MOSFETチップ2品種のサンプル提供を2026年6月下旬より開始することを発表した。スイッチング時の電力損失を低減することで、電力変換効率の向上を図ることができるという。

  • 第5世代トレンチ型SiC-MOSFETウェハおよびチップのイメージ

    第5世代トレンチ型SiC-MOSFETウェハおよびチップのイメージ(出所:三菱電機)

オン抵抗を従来品比約25%低減

パワー半導体は電力変換や制御を担うデバイスであり、特に電気自動車や産業機器、インフラ分野では効率向上の鍵を握る技術となっている。中でもSiCパワー半導体はシリコンに比べて高耐圧・低損失といった特性を持つため、活用が期待されている。

第5世代SiC-MOSFETでは、デバイス構造の最適化を図ることで第4世代トレンチ型SiC-MOSFETと同一定格電圧品としきい値電圧を揃えた状態のオン抵抗を比較した場合、約25%の低減を実現したという。

高効率化によりxEVの航続距離や電費を改善

同製品の主なターゲットはxEVとしており、適用することでインバーターやeAxleの性能向上や小型化が可能となるため、xEVの航続距離の延伸や電費の改善を果たすことができるようになるとする。

また、独自の製造プロセス技術を活用することで、性能劣化と電力損失やオン抵抗などの変動を抑制しており、長期間の使用でも安定した品質の実現によるxEV用インバーターやeAxleの耐久性や性能維持も可能とするともしている。

さまざまなパワーエレクトロニクス機器の省エネ化をSiCで実現へ

なお、xEVをはじめとしたさまざまなパワーエレクトロニクス機器の省エネ化を推進していくことを目指し、今後もSiC-MOSFETの低電力損失化と高品質化を継続して進めていくことでグリーントランスフォーメーション(GX)をはじめとする社会課題解決への貢献を目指すとしている。