英Informaグループの市場調査ブランドであるOmdiaは4月23日、2026年の半導体売上高成長率予測を1月発表の前年比30.7%増から同62.7%増へと上方修正したことを明らかにした。
2026年の市場規模は、WSTSが予測していた1兆ドルを軽く突破し、ガートナーが予測する1.3兆ドルろも超える見込みであるという。これは、持続的な需要の高止まりと、DRAMならびにNANDの価格高騰による伸びを反映した結果で、DRAM市場は2025年比でほぼ倍増すると予測されるほか、DRAMに比べて規模が小さいNANDは同4倍増となる可能性があるとしている。
DRAMの高騰はサプライヤ各社が高価なHBMの生産に注力していることが要因とされている。データセンター向けGPUやカスタムASICからの旺盛や需要が少なくとも2026年いっぱいは続き、供給の緩和は2027年の後半まで見込まれないとOmdiaでは予測している。
半導体不足による平均価格上昇が市場成長を押し上げ
Omdiaでは、多くの企業が2026年により高度なワークロードへの対応に向けてサーバの更新を行うが、そこにハイパースケーラーの設備投資が重なるため大きな市場機会が生まれるとしている。また、次世代シリコンと高度な持続性に基づいた、より高付加価値なシステム設計への明確なシフトが見られるとのことで、こうした高性能化と継続的な部品不足が相まって、平均販売価格が上昇し、金額ベースの成長を後押しすると指摘する。
この結果、コンピューティングおよびデータストレージ分野が金額ベースの成長を牽引することとなり、2026年には前年比90%増の7000億ドルを超す見込みだとする。
また、家電やワイヤレスアプリケーションも2026年は明るい見通しが示されているとする。スマートフォンの出荷台数は横ばい見込みながら、メモリ価格の高騰により半導体売上高は増加し、部品コスト(BOM)も全体的に上昇するためで、折りたたみ式やAI機能搭載モデルなどの複数のフラッグシップモデルの発売による後押しに加え、スマートウォッチやフィットネス・ウェルネスウェアラブルも売り上げの伸びが期待できるとしている。
半導体市場はどこまで成長するのか?
Omdiaでは、AIの進化がメモリとロジックの需要を押し上げ、半導体業界全体の成長をけん引しているとする一方、サプライヤが供給能力と生産量をどれだけ迅速に拡大できるか、そして長期的に見て、どのアプリケーションが現在のAIへの設備投資額を正当化するのに十分な投資収益率を生み出すのか、といった点については依然として疑問が残るともしている。
また、関税、エネルギーコスト、地政学的緊張といったマクロ経済的な圧力に加え、半導体業界はAIインフラへの投資額に関連するリスクにも直面しているともする。現在の半導体売上高の伸びは平均販売価格の上昇が主要因であり、これまでにも仮想通貨マイニングや過去のメモリスーパーサイクルなど同様の動向が見られたが、業界全体における規模と広がりは前例のないものだとOmdiaは指摘している。
なお、TSMCも4月22日開催の年次イベントの際に、2026年の半導体市場成長率予測を前年比45%増と上方修正しており、今後、WSTSやほかの市場調査会社も予測の上方修正を行うことが予想され、2026年に半導体市場は目標としていた1兆ドルをはるかに超える形で成長を遂げそうである。
