まとめ

・台湾メディアがTSMCがFab 15Aの製造プロセスを22/28nmから4nmへと転換する計画があると報じている
・AMATがTSMCとEPICセンターでの次世代プロセス開発で協業を発表
・TSMCの2026年4月売上高は前年同月比17.5%増で4月の最高額を更新

台湾メディアの経済日報が、台湾半導体サプライチェーンの関係者の話として、TSMCが台湾中部科学園区のFab 15Aの対応プロセスを現在の22/28nmから4nmへ転換する計画があることを報じている

この転換に必要な製造設備やクリーンルームなどの投資額は1000億NTドル(約5000億円)以上というが、先端プロセスの需要高止まりへの対応として移行を急ピッチで進めようとしているという。TSMCの22/28nmは、熊本のFab 23 P1(熊本第1工場)も採用しているが同工場の稼働率は低いと噂されている。

  • TSMC Fab 15Aの製造棟

    TSMC Fab 15Aの製造棟 (出所:TSMC)

台湾中部科学園区には、28/22nm採用のFab 15Aのほか、7nm採用のFab 15Bがあるほか、中部園区第2期拡張区画にはいわゆる1.4nmプロセスであるA14を採用するFab 25が建設中である。

Fab 25でのA14量産は2028年を計画

このFab 25は、2025年11月より基礎工事を開始。最近、管理棟やCUP棟の入札を終え、工場も近く入札作業に入ると言われている。科学園区管理局によると、Fab 25は4棟建設される計画で、投資額は1兆5000億NTドルだという。

また同社関係者によると、A14の進捗は予想よりも早く、早ければ2027年第3四半期からの試験生産開始、2028年下半期の量産開始との計画だという。

このほか、新竹と高雄で2025年第4四半期より量産を開始した2nm(N2)の歩留まりは予想を上回る状況だとも言われている。

Fab 15Aの28/22nm装置はドイツ工場へ移管

TSMCのサプライチェーン関係者によると、Fab 15Aの28/22nm製造装置は独ドレスデンで建設中の合弁工場(TSMC Fab 24)に移管される計画だという。同工場は自動車や産業機器向け半導体を22/28~12/16nmプロセスで2027年より量産開始する予定。投資額は100億ユーロ以上とされている。

AMATのEPICセンターで次世代プロセス開発で協業

こうした動きと並行して、Applied Materials(AMAT)が5月11日付で、TSMCと新たなイノベーションパートナーシップをTSMCと締結し、AMATのEPICセンターでの協業を行うことを発表した。

具体的な検討内容として、AIとHPCの高まる需要への対応として、最先端ロジック全体で電力、性能、面積の継続的な改善を可能にするプロセス技術の開発や、複雑化する3Dトランジスタおよび相互接続構造の精密な形成を可能にする新素材と次世代製造装置の開発、デバイスの垂直積層型アーキテクチャへの移行に対する歩留まり、ばらつき制御、信頼性向上のためのプロセス統合アプローチの3項目を挙げている。

すでにAMATはSamsung Electronics、SK hynix、Micron Technologyの3社と同様の協業を発表しており、TSMCは4番目の参画となる。

4月の売り上げは前年同月比17.5%増で4月の最高額を更新

なお、TSMCは5月8日に2026年4月の月間売上高を発表している。それによると、前年同月比17.5%増の4107億2600万NTドルとしており、4月としては過去最高を更新したという(前月比では1.1%減だが、前年同月比のプラス成長は2024年1月以降、28カ月連続となる)。

  • 2026年4月業績

    2026年4月業績 (出所:TSMC)

旺盛な需要の高止まりに対し同社は、2026年の設備投資額を最大560億ドルという従来の予想レンジの上限に近づく見方を示しており、経済の先行きに対する自信を見せている。