この半導体ニュースのまとめ

・WolfspeedがAIデータセンター向け電源ソリューション専任チームを設立
・SiCデバイスで高効率・高密度電源を提供
・電力需要が急増するAIインフラで電源が競争軸として浮上

Wolfspeedは、AIデータセンター向けの電源ソリューション開発を目的とした専任チームを設立したと発表した。新チームでは業界経験者を採用し、高密度かつ高効率な電源システムの開発を進める。

AIデータセンターで高まる電力需要

生成AIの普及に伴い、データセンターではGPUを中心とした高性能サーバーの導入が進み、消費電力は急速に増大している。

AIサーバーでは1ラックあたり数十kW規模の電力を必要とするものが増えており、120kW規模のラックも登場するなど電源効率と電力密度の向上が重要課題となっている。

SiC電源で高効率・高密度化

Wolfspeedは、シリコンカーバイド(SiC)を用いたパワー半導体を強みとしており、高電圧・高効率の電力変換を実現可能としている。

SiCは従来のシリコンに比べて損失が小さく、高温環境でも動作しやすい特性を持つことから、AIデータセンターの高電力密度化に適した技術の1つと考えられており、今回の取り組みでは、こうした特性を活用し、電源の小型化と効率向上の両立を図るとする。

電源がAIインフラの制約要因へ

AIデータセンターでは、GPUの性能向上に伴う消費電力の増大により、電力供給と電源効率がシステム全体の制約要因として顕在化するようになっている。

電源の変換効率や熱設計が運用コストに直結するため、わずかな効率改善でも大規模データセンター全体では大きな差となる。

こうした状況を踏まえ、NVIDIAは800VDCアーキテクチャを推進することで、より高い電力効率の実現を図ろうとしており、複数のパワー半導体メーカーがパートナーとして対応ソリューションの開発を進めている。

2人のベテランがチームをけん引

なお、同チームの立ち上げにあたっては、Texas Instruments(TI)で複数の電力事業製品ラインを統括した経験を有するGanesh Srinivasan(ガネーシュ・スリニヴァサン)氏が同チームを率いるシニアバイスプレジデントとして入社したほか、同チームのバイスプレジデント兼フェロー(電力システムソリューション担当)として、同じくTIで高電圧電力管理、MEMS、センサなどの研究開発を担い、高電圧および低電圧電力トポロジーの専門家としても知られるYogesh Ramadass(ヨゲシュ・ラマダス)氏が入社しており、同社では、今回の取り組みは、Wolfspeedが長期的な成長、効果的な事業遂行、そして世界中の顧客と株主のための価値創造を支援する能力を強化するという強い決意を示すものだと説明している。