半導体製造用部材サプライヤ大手の米Entegrisは、台湾南部の高雄サイエンスパークに同社史上最大級となる製造工場を開所したと発表した。

総額5億ドルを投資した5万4000m2の施設で、半導体プロセス用薬液フィルター、高純度ドラム(薬液を収納して搬送するための円柱状容器)および先端成膜材料などを生産する。同施設は、廃棄物を削減し、水とエネルギーの消費量を削減し、再生可能エネルギーによる電力の使用を増やすように設計されており、2030年までに再生可能エネルギーによる電力消費100%を達成することを目標としているとする。

新工場の開所式に参列した台湾経済部の王梅華部長は、「Entegrisが世界最大の製造拠点の場所として高雄市を選んだことを誇りに思う」と述べた。

  • 台湾高雄に建設されたEntegrisの新工場

    台湾高雄に建設されたEntegrisの新工場 (出所:Entegris)

現在、Entegrisは台湾に約720人のフルタイム従業員を抱えており、新しい施設が完全に稼働するにつれて、今後数年間でさらに数百人が追加される予定だという。さらに、エンジニアリング分野へのアクセスを拡大することを目的として、同社は最近、国立台湾大学と国立清華大学の各大学の学生5名ずつを対象に3年間にわたってそれぞれ年間5000ドルの奨学金を授与することにしたともしている。

なお、同施設は、台湾北部の新竹にあるEntegris台湾技術研究開発センターが技術サポートすることになっているという。