同市場のトップはSamsung Electronicsで、そのシェアは前四半期から0.3ポイント増の49.6%。2位の同じく韓国勢であるSK Hynix(Solidigm含む)と併せると、韓国勢2社だけで約74%のシェアを占めることとなる。キオクシアの汚染事故を受け、サーバの顧客はすぐに追加注文をSamsungに行っており、結果としてSamsungの同四半期売上高は前四半期比14.8%増の27.7億ドルに達した。

2位のSK Hynixは北米のクライアントとのパートナーシップの拡大により、エンタープライズSSDの売上高を同10.7%増の13.5億ドルへと伸ばすことに成功している。同社の2022年の主な目標の1つとして、サプライチェーン問題により過去2年間に失った市場シェアを回復することを目指し、SSDの出荷を拡大することを掲げているという。

3位はエンタープライズSSDにおけるシェア拡大を掲げているMicron Technologyで、その同四半期の売上高は同32.6%増の6.1億ドルと、主要サプライヤ中でもっとも高い成長率を記録した。同社の主要クライアントは引き続きサーバサプライヤで、SATAインタフェースが主力製品であるが、96層PCIe 4.0 SSDの数量も増加傾向にあり、同四半期の売上高成長率は競合他社を上回ったという。TrendForceは、MicronのPCIe 4.0製品が、北米のハイパースケールデータセンタークライアントによる検証に2022年第3四半期に合格し、ボリュームを増やし始めると予想しているほか、将来の成長の勢いを確保する唯一の方法は、データセンターの主流となっているPCIe製品の出荷を増やすことだともしている。

4位はキオクシアで、汚染事故の影響から、エンタープライズSSDの出荷が鈍化することとなったが、それでも2021年末に複数の中国顧客での検証完了を受け、PCIe4.0製品の出荷増などもあり、同四半期の売上高は同11.9%増の4.7億ドルとなった。下半期にちては、PCIe 5.9 SSDの大量生産により、ハイパースケールデータセンターのクライアントとのパートナーシップをさらに拡大する可能性があるとしている。

そして5位はWestern Digitalで、その売上高は前四半期ほぼ横ばいの3.8億ドル。エンタープライズSSD分野では、以前は優勢だったSAS製品のニーズが減少していることに加えて、PCIe3.0製品とPCIe4.0製品が2022年後半まで出荷されない見通しであり、特にPCIe4.0製品の量産スケジュールと生産プロセスが競合他社に遅れをとっていることを考えると、出荷を大幅に増やせる可能性は低く、今後、次世代品であるPCIe 5.0製品の開発を加速できなければ、同社のシェアは低下し続ける可能性があるとTrendForceでは指摘している。