2021年12月下旬にTSMCのCC Wei(魏哲家)社長が3人の副社長(ファブオペレーション担当、プラント業務担当、および経営企画担当)とともに台中市地方政府を訪問し、関係者と台中市内に2nmプロセス対応の前工程ファブ建設に向けた協議を行ったのではないかと複数の台湾メディアが報じている。

台中市の盧秀燕市長は12月27日に台湾メディアに対して「TSMCの社長と幹部が台中への投資に強い意欲を持っている」ことを明らかにし、「すべての計画が順調に進めば、2nmファブ拡張計画の総投資額は約1兆NTドル(日本円で約4.2兆円。1NTドル4.2円換算)であり、8000人の雇用機会の創出が見込まれることとなる。台中市政府はこれを歓迎し、全面的に支援する」と述べたという。

TSMCの2nmファブ建設予定地と目されるのは、台中サイエンスパーク(工業団地)に隣接するゴルフコースで、まだ実際の買収交渉は行われていないという。また、TSMCは台中市政府に対し、水力発電の利用による環境に優しく、よりリサイクル可能な水と電気の供給計画の提出を求めたという。

なおTSMCは、新竹本社に近い宝山郷に2nmプロセス対応ファブ4棟(Fab 20 Phase1~4)の建設に向け、間もなく土地の造成を開始する計画だが、同地はそれ以上の拡張の余地がないため、同社は台中の既存ファブ近くに新たなファブを建設することを検討している模様である。