SK Hynixは1月29日、2020年通期の業績を発表した。それによると、連結売上高は前年比18%増の31兆9000億ウォン、営業利益は同84%増の5兆130億ウォン、純利益は2.4倍の4兆7590億ウォンだったという。

NAND市況の改善でキオクシアの企業価値が高まったため、SK Hynixが保有しているキオクシアの新株予約権付社債(いわゆる転換社債)の評価差益として1兆7200億ウォンを計上したことで純利益が急増したという。

同社では「2020年のメモリ市場は新型コロナとと米中貿易紛争の激化により低迷すると見られていたが、1z-nm DRAMや128層NANDなどの主力製品を安定して量産し、かつ品質向上を図ることでサーバ市場のシェアを拡大できた」と好調の背景を説明する。

2021年のDRAM市場については、グローバル企業によるデータセンター投資が進むことで、サーバ需要が増加するほか、5Gスマートフォンの出荷台数が伸びることが期待されるとしているが、その一方で、メモリの供給量の増加は限定的であると予想されるため、需要を満たせなくなると予測している。

またNAND市場については、モバイル機器での大容量品の採用が増えるほか、SSDに対する強い需要により、エコシステム全体の高い在庫レベルが上半期に解決されるため、今年の下半期から回復すると予想している。

こうした動きを受け、HPCならびにAI市場向けにHBM2Eなどの高付加価値DRAMの割合を増加させると同時に、1a-nm DRAMや176層NANDの生産を進めることでコスト競争力を高める計画だという。

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    SK Hynixの2020年通年および2020年第4四半期の連結決算 (単位:10億ウォン) (出所:SK Hynix)

中国大連市と半導体ITの戦略的協業で覚書調印

SK Hynixは、IntelのNAND製造拠点である中国大連工場を買収する予定だが、1月29日付でその中国大連市地方人民政府と間に、SK HynixによるIntel大連工場のスムーズな買収、およびの大連への将来の半導体・IT投資について共同で協力する覚書を取り交わした。

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    中国大連市とSK Hynixとの戦略的協業に関する覚書のバーチャル調印式典の様子。SK HynixのEVPであるNoh Jongwon氏(写真中央)、大連金普新区管理委員会副委員長Lv Dongsheng氏(ディスプレイ内の左)、大連市地方人民政府副市長Jin Guowei氏(同右) (出所:SK Hynix)

SK Hynixは2004年に中国無錫に最初の工場を設立して以来、中国への投資を積極的に進めてきており、2020年時点で、200億ドルを超える累積投資を行ってきたとのことで、現在では7000人以上の中国人を雇用しているとする。

また同社は、韓国ではファブレスが少なく十分な数のファウンドリ顧客を確保できないため、2年以内にファウンドリ用200mmファブを韓国から中国無錫へ移管する計画を立てていた。しかし、その後、SMICに対する米国の制裁により、中国でのレガシー半導体の需要が急増していることから、速やかに無錫での200mmファウンドリサービスを開始するべく、ライン移管を急ぐことにしたという。SKグループとして、中国の半導体勢が台頭してくる前に、無錫と大連で積極的な中国市場でのポジションの確保を進めていく作戦のようだ。