本田技研工業は、軽量・小型なハイブリッドシステムを5ナンバーサイズのボディに搭載した5ドアハッチバックの「インサイト(INSIGHT)」を2月6日に発売する。価格は189万円から221万円。

インサイトと福井威夫取締役社長、関康成インサイト開発責任者

インサイト」は、主動力のエンジンに補助動力のモーターを組み合わせたハイブリッドシステム「IMA(インテグレーテッド・モーター・アシスト)」により、低燃費と排出ガスのクリーン化を実現したモデル。エンジンは1.3L(リッター)の「i-VTEC」で、必要に応じて全気筒を休止する可変シリンダーシステム(VCM:Variable Cylinder Management)を採用し、IMAとあいまって1.5Lクラス並みの安定したレスポンスと加速性能を備えるとしている。

従来の「シビック ハイブリッド」(2006年モデル)比で約22%の薄型化と約15%の軽量化を達成した新設計薄型DCブラシレスモーターや、モーターの駆動と電力エネルギーの回生を最適に制御するPCU(パワーコントロールユニット)など、多くの新技術を搭載する。

高出力Ni-MH(ニッケル水素)バッテリーは、モジュールあたりの出力と耐久性を約30%向上させることで、モジュール本数をシビック ハイブリットの11本から7本へ削減。約31%の小型化と約35%の軽量化を実現した。これらの小型化により、バッテリーとPCUを荷室下へ配置することが可能になった。

トランスミッションはコンパクト、高効率のCVT(ホンダマルチマチックS)を採用。発進時のストール回転数を下げ、より低い回転でクラッチをつなぐ制御を導入した。また、停車時/加速時/クルーズ時それぞれにおいて、エンジンとモーターアシストを最適に制御。低速時にはモーターのみで走行し、停車時にはアイドルストップする。これらにより、JC08モード走行で26.0km/L、10・15モード走行で30km/Lの低燃費を達成したという。

また、エンジンの出力制御やアイドルストップ領域の拡大などをドライバーが任意に切り換えられる「ECONモード」や、スピードメーターの背景色を変化させることで、ドライバーがリアルタイムに燃料消費状況を確認できるコーチング機能など、低燃費運転をアシストする機能も装備する。

パッケージング イメージ

ハイブリッドシステム イメージ

1.3L i-VTECエンジン+ハイブリットシステム(右は薄型DCブラシレスモーター)

PCUとバッテリーユニット(IPU)

Hondaハイブリッドシステム 作動イメージ

エコアシスト (エコロジカル・ドライブ・アシスト・システム) 説明用インパネ

コーチング機能 (アンビエントメーター/エコドライブバー)

マルチインフォメーション・ディスプレイ

コンパクトなボディながら(全長4,390mm×全幅1,695mm×全高1,425mm)ホイールベースを長く設定し(2,550mm)、5人がしっかり座れるスペースを確保。バッテリーや制御ユニットを荷室下に配置することで最大400Lの荷室を確保した。エクステリアの各パーツやアンダーボディの空力パーツなど、風の流れを検証して設計。CD値0.28を達成した。

フロントウインドウには遮音機能とIR(赤外線)カット機能を備えたガラスを採用。また、ホンダのハイブリッドカーとして初めてパドルシフトを設定した(LSタイプ)。

安全の面では、自己保護性能と相手車両や歩行者への攻撃性低減を両立したボディを採用。サイドカーテンエアバッグや前席用サイドエアバッグも設定した(オプション)。横滑り防止装置「VSA」も装備(G、Lタイプはオプション)。また、後面衝突時に頚部にかかる負担を軽減する「フロントアクティブヘッドレスト」を全タイプに標準装備した。

フロントビュー (LS) ※ポリッシュドメタル・メタリック

サイド・リヤビュー (L)※ミラノレッド

インパネ (L) ※ブルー

インテリア (G) ※ウォームグレー

ラゲッジルーム (右はサブトランク)

シートアレンジ例 (フルフラット)

前方視界

後方視界