プロ野球ペナントレースはすでに後半戦に突入。7月23、24日には『マイナビ オールスターゲーム2025』が行われるが、その直前の20日(雨天中止の場合は21日)には香川・レクザム ボールパーク丸亀(丸亀市民球場)で『フレッシュオールスターゲーム2025』が開催される。将来を期待される若手選手たちによる「イースタン・リーグ」と「ウエスタン・リーグ」の対抗戦だ。この舞台にスワローズからは、3選手が出場する。

〈フレッシュオールスター出場選手〉
背番号 名前 ポジション 年齢 身長/体重 投打
15 中村優斗 投手 22歳 176cm / 68kg 右投左打
54 田中陽翔 内野手 19歳 183cm / 88kg 右投左打
31 モイセエフ ニキータ 外野手 18歳 182cm / 87kg 左投左打

いずれも昨秋にドラフト指名を受け入団したルーキーだ。

プロ初勝利をあげた「ドラ1」中村優斗

最速160kmのストレートと切れ味鋭いスライダー、フォークを主武器とする中村優斗は、将来のエースを期待されるドラフト1位右腕。

「1年目から先発をして10勝はしたい」

入団発表会見でそう目標を掲げ、即戦力を期待されたが、体調が整わず開幕1軍入りを果たすことはできなかった。4月8日、戸田球場でのイースタン・リーグ、埼玉西武ライオンズ戦で中継ぎ投手としてプロ初登板(1回無失点、2奪三振)。その後、間隔をあけてマウンドに立ち徐々に投球イニングを伸ばしていった。2軍での成績は7試合0勝1敗、防御率3.24。2本のホームランを浴びるも、奪三振は31を数える。実戦を通して徐々にコンディションと投球リズムを良化させてきた。

そして6月22日には、神宮球場でのオリックス・バファローズ戦で1軍初先発。敗戦投手になったものの5回を投げて1失点の好投を見せた。11日後の7月3日には敵地マツダスタジアムで2度目の先発マウンドに立ち、広島カープ打線に7安打を浴びるも要所を締め5回無失点の粘投。デビュー2試合目で、プロ初勝利を飾っている。

今後、中村には中6日で先発ローテーションの一角を担うことが期待される。フレッシュオールスターで存在感を際立たせ、後半戦での勝利量産につなげてほしい。

高卒新人「一番乗り」で1軍昇格の田中陽翔

3、4年後にチームの主力選手になることを見込まれ、昨秋ドラフト4位指名を受け入団した田中陽翔も、ここまでのイースタン・リーグでの活躍が評価されフレッシュオールスターに選出されている。2004年から3年間、スワローズの投手として活躍した田中 充を父に持ち、小中学生時は「東練馬リトルシニア」でプレイ。健大高崎高に進学後は1年からベンチ入りし、3年時には甲子園「春のセンバツ」に出場。「2番・遊撃手」として活躍し、チームの全国制覇に貢献した。

スワローズ入団後もファームの試合に遊撃手としてレギュラー出場、7月5日までの記録は打率,268、1本塁打、14打点。それでも経験を積む中で成長を遂げており、6月以降は53打数13安打、打率.321の好成績を残している。その活躍とチーム事情が絡まり、7月8日には1軍に招集された。これは全12球団高卒ルーキー「一番乗り」。今年は2軍でみっちりと鍛えられると思われていた田中が早々にチャンスをつかんだ形だ。

守備面には、まだ課題もあるが広角に打ち分ける打撃技術には非凡なものがある。まだ1軍初安打は放てていない(7月10日時点)ものの、今後が楽しみな逸材。1軍での出場機会を維持するためにも、フレッシュオールスターで気を吐きたい。

「目指すはトリプルスリー」モイセエフ ニキータ

ドラフト2位指名の異色ルーキーも、フレッシュオールスターの舞台に立つ。左の長距離砲として期待値の高いモイセエフ ニキータの両親はロシア人、小学1年時から野球を始め、愛知・豊川高校入学後に頭角を顕わした。高校3年生の春には甲子園に出場し初戦(阿南光高戦)で豪快な2ランホームランを放ち、そのパワーを周囲に強く印象付けた。

長打力だけではない。走力にも長けるモイセエフはスワローズ入団直後に、こう話している。

「自分はトリプルスリー(打率3割、30本塁打、30盗塁)を目標にしています。確実にアベレージを残せて長打も打てて、そして走れる。もちろん守備もしっかりやりたい。そんな“走攻守”揃った選手としてチームの勝利に貢献したい」

現在はイースタン・リーグで奮闘中。39試合出場で打率.140、4本塁打、11打点、1盗塁と成績は芳しくない。それでもフレッシュオールスターのメンバーに選出されたのは、ドラフト上位指名選手であり将来性を見込まれてのこと。香川の華舞台で派手に活躍し、同級生の田中陽翔に次いで1軍切符をつかみ取りたい。

今年も若燕のMVP獲得なるか

フレッシュオールスターは若手の登竜門。ここで活躍しプロ野球界の主軸選手、さらにはメジャーリーガーへと羽ばたいた選手が数多くいる。歴代フレッシュオールスターMVPには、主に次のような選手が名を連ねてきた。

〈歴代フレッシュオールスター MVP〉
選手名 所属チーム 受賞年
石井浩郎 近鉄 1990年
イチロー オリックス 1992年
井上一樹 中日 1994年
里崎智也 千葉ロッテ 2001年
青木宣親 ヤクルト 2004年
中田 翔 北海道日本ハム 2009年
岡本和真 巨人 2016年

ちなみに過去4年を振り返ると実に3度もスワローズの選手がMVPに輝いている。2021年は内山壮真、翌22年には赤羽由紘、そして昨年は「5番・中堅手」でフル出場し2安打4打点と活躍した橋本星哉が受賞。

今年もスワローズからMVPが誕生するか!?

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