2025年大阪・関西万博が開幕する1か月前の3月13日、吹田市にあるメイシアターにて『吹田市 歴史×ミライ クロスシンポジウム』が開催されました。

「暮らすにはぴったりなまち」「吹田で実現できる」という意味を込めた「suitable city(スイタブルシティ)」をキャッチフレーズに掲げ、市民ひとりひとりがそれぞれに応じた豊かな暮らしを実現し、愛着や誇りを持ってもらえるまちを目指す吹田市。

今後、さらに「suitable city」を浸透させるため、市のさまざまな魅力を掛け合わせることで新しい価値を創造する共有型のロゴマーク「吹田クロスロゴ(Suita Cross Logo)」を制作しました。

  • 吹田クロスロゴ

吹田市の「歴史」と「ミライ」を掛け合わせた今回のシンポジウムでは、1970年大阪万博から2025年大阪・関西万博までの吹田市のあゆみを振り返りつつ、今後のまちづくりのあり方についてクロストークを実施。本記事では、その模様をレポートします。

1970年大阪万博から現在までの吹田市の足跡を振り返り

司会を務めたのは、大阪公立大学工学部都市学科 大学院工学研究科都市系専攻教授の嘉名光市先生。「未来社会の実験場」という大阪・関西万博のコンセプトになぞらえて「社会課題を共有し、議論するにきっかけにしたい」と、同シンポジウム開催の意義を説明しました。

  • 嘉名光市先生

第一部のテーマは「1970年大阪万博~現代 これまでの吹田のまちづくりを振り返る」。まず大阪大学名誉教授 澤木昌典先生が登壇し、「70年万博~現代これまでの吹田のまちづくりをふりかえる -通史・概観-」と題した講演を行いました。

  • 澤木昌典先生

70年万博開催と千里ニュータウン建設を機に広域的都市基盤が形成された吹田市は、1970年代~2000年代前半の公共施設・商業施設整備期を経て、2000年代後半からその後の拡充・更新期に突入していると、澤木先生は解説。70年代からハードレガシーとしての「まちづくり」が進んだ一方で、住民主体・協働の「まちづくり」も盛んに行われている吹田市の先進性に言及しました。

  • 澤木昌典先生

次に登壇したのは、関西大学環境都市工学部建築学科教授 木下光先生。「関大前周辺地区のまちづくり -関大前通りは、どう生まれ変われるか-」と題した講演では、関大前商店会・連合自治会・関西大学・都市設計研究室で構成された「関西大学周辺まちづくり勉強会」の取り組みを通して得られた方向性が示されました。それは、「ウォーカブル」と「防災」の掛け合わせ。

  • 木下光先生

「大学は、レジリエンスキャンパスからレジリエンス・パーク・キャンパスへ」と提起する木下先生は、「地域や大学が協働する吹田市版PPPU(Public Private Participation +University)モデルとして『関大前まちづくり勉強会』を位置付け、取り組んでいきたい」と力を込めました。

  • 木下光先生

2025年大阪・関西万博を契機に。
時代に合わせたアップデートをパネルディスカッション

第二部のテーマは「2025年大阪・関西万博~未来 これからの吹田のまちづくりの在り方について」。司会の嘉名先生が進行役を務める中、まちづくりの専門家や吹田市で活動している方々が議論を交わしました。

まちづくりの専門家として登壇したのは、都市空間の解析とデザインを専門とする東京理科大学 創域理工学部建築学科 教授の伊藤香織先生と、まちなか広場づくりに伴走者的な立ち位置で活動する「ひと・ネットワーククリエイター」の山下裕子さん。

  • 伊藤香織先生

    東京理科大学 創域理工学部建築学科 教授 伊藤香織先生

  • 山下裕子さん

    「ひと・ネットワーククリエイター」山下裕子さん

ローカルメディア「吹田日和」を運営する株式会社Paddle赤堀順一さんや、学生団体「吹田クリエイティブムーブメンツ(通称SCM)」の井上颯大さん、吹田市旭通商店街協同組合 理事長の池内かおりさんから、まちづくりに寄与する取り組み事例が紹介されると、“吹田初心者”を自称する伊藤先生と山下さんは感嘆の声を上げました。

  • 赤堀順一さん

    株式会社Paddle 赤堀順一さん

  • 井上颯大さん

    学生団体「吹田クリエイティブムーブメンツ(通称SCM)」井上颯大さん

  • 池内かおりさん

    吹田市旭通商店街協同組合 理事長 池内かおりさん

「まちづくりに参加する人が次々に現れるのは『シビックプライド』が定着しているからこそ」と伊藤先生が現状を評すると、山下さんは「オープンエアを活用し、つながりを日常化してもらえれば」とさらなる活性化に期待を寄せました。

※シビックプライド:特定の都市や地域に誇りや愛着を持ち、その地域を良くするために貢献しようとする自負心

  • 談笑する皆さん

質疑応答では、来場した市民から熱い想いが飛び出すなど、終始盛り上がりを見せた同シンポジウム。最後、インスタライブの視聴者から「吹田市で新しいものを創造するには何と何を掛け合わせますか?」と「吹田クロスロゴ(Suita Cross Logo)」にちなんだ質問が届くと、山下さんは「チャレンジ」×「路面店」、伊藤先生は「公共空間」×「自己実現」と回答しました。

吹田クロスロゴについて
詳しくはこちら

吹田市は、市民ひとりひとりの可能性を拓くまちづくりを推進していく

「『レガシー』×『再編集』」と、先の質問に乗じて切り出した司会の嘉名先生は「レガシーを掘り起こしながらまちづくりを再編集していくことが必要で、そのためには『コ・クリエーション(共創)』がますます重要になるのではないか」と総括しました。

吹田市は、「吹田のあらゆるヒト・モノ・コトを自由に組み合わせたアイデアを発信することで、これまでになかったつながりを新たに生み出し、市民ひとりひとりの可能性を拓くまちづくりを推進していく」とのことですが、そんなビジョンの一端が垣間見えたシンポジウムでした。

  • スイタブルシティイメージ

suitablecityについて
詳しくはこちら

吹田クロスロゴについて
詳しくはこちら

Photo:田中 大介

[PR]提供:吹田市