1884年に創立されて以来、ものづくりとエンジニアリング力を武器に、社会課題の解決に挑んできた三菱重工。250以上のグループ会社に8万名近い社員数を抱え、2023年度の売上高は4兆6571億円、うち約6割が海外向けというグローバル企業です。ガスタービンや原子力などの発電事業、防衛製品、ロケットをはじめとするダイナミックな製品を取り扱っています。500以上の製品をラインナップしていることから世間からは「機械のデパート」とも呼ばれています。

そんな同社における働き方について、皆さんはどんなイメージを持っているでしょうか。「三菱重工」は伝統的な企業でありながら、柔軟な人事制度を採用し、社員が自分自身で思い描くキャリアパスを実現できるよう手厚く支援してくれる企業でもあるのです。

今回はそんな三菱重工のHR戦略部 人材開発グループから4名の大卒事務系採用担当者にインタビューを実施。初任配属の勤務地を選べる「エリア選択制度」や、キャリアの幅を広げる「キャリアデザイン面談制度」、「人材公募制度」、「越境チャレンジ」、「MGT(MHI Global Training)」といった斬新なキャリア支援プログラムの詳細と、狙いや背景について伺いました。

プロフィール

これまでの「一括採用」から、初任配属の勤務地を選択できる「エリア選択制度」を導入へ

ーー三菱重工では、26卒大卒事務系採用から「エリア選択制度」を導入されています。どのような制度なのか、教えていただけますか。

三菱重工HR戦略部 人材開発グループ 大卒事務系採用担当者

阪口エリア選択制度は新卒大卒事務系採用において、初任配属の勤務地を就活生の皆さん自ら選択してエントリーできる制度です。本選考に合格し内々定となると同時に、初任配属の勤務地は選択したエリアになることが確約されます。勤務地は首都圏以外の当社拠点がある都道府県単位で選べます。具体的にいうと、長崎、山口、広島、兵庫、愛知、茨城です。東京、神奈川を含めた全国コースも設置しております。

阪口技術系職種の採用については、以前から事業分野別のマッチング採用(配属先希望を決めて選考)を実施しておりました。一方で事務系職種においては25卒以前は三菱重工グループとして一括で採用し、内定者の皆さんに携わりたい事業、職種、勤務地の希望を調査し、個別の面談で詳細をお聞きした上で、配属予定先と内定者の皆さんの希望を最大限一致させられるよう調整・決定してきました。
26卒では選考エントリー時点から、就活生の皆さんが「初任配属地」を明確にした上で選考プロセスに参加できるように「エリア選択制度」を新たに導入しました。

ーーエリア選択制度を導入した狙いは何でしょうか。

阪口大きな目的は「就活生とのマッチング率を高める」ことです。
特に昨今の就活生の皆さんの志向において、勤務地の優先順位が上がっていることは、さまざまなデータからも読み取れます。これまでの一括採用というやり方で一定数生まれてしまっていたミスマッチを防ぎマッチング率を高めたい、と考えたのがエリア選択制度を始めたきっかけです。

三菱重工HR戦略部 人材開発グループ 大卒事務系採用担当者

例えば、地元が兵庫県だから、または大学が兵庫県なので残りたいなどの理由から、兵庫県で働きたい人もいると思います。このような「希望する勤務地で働きたい」というニーズを満たすためにエリア選択制度を導入しました。

加えて、当社の手掛ける事業は、各事業所と紐づいていることが多いです。例えば当社の伸長事業の1つでもあるガスタービンについて、ガスタービン事業を担当する社員はその多くが兵庫県の高砂製作所に勤務しています。つまり、エントリー時に兵庫県を選択することによりガスタービンに携われる可能性が高まります。
エリア選択制度を導入することにより、勤務地だけでなく事業のマッチング改善を図ることができます。
コングロマリット経営(分野の異なる複数の事業を営む複合企業)の当社において、就活生の皆さんの希望をできる限り叶えたいという私たちの想いも、エリア選択制度を導入した理由です。

ーー勤務地を選ぶことで希望する事業に携われる可能性が高くなるなら就活生の皆さんの満足度も高まりそうです。

三菱重工HR戦略部 人材開発グループ 大卒事務系採用担当者

内藤三菱重工はものづくりの会社ですし、手掛ける事業の多くは受注生産品です。高い品質のものづくりを実現するためには、設計・製造・営業・調達など多様な社内のメンバーはもちろん、お客様やパートナー様も含めた関係者との密なコミュニケーションが必要不可欠です。当社の各事業所では、このような多くの人の知見を集結させながら1つのものをつくりあげる醍醐味を感じることができるだけでなく、ひとりの担当者として責任と裁量を持って働くことができるため、若手のうちから大きく成長できると考えています。

キャリアデザイン面談制度や人材公募制度、越境チャレンジ、MGTなど多彩なキャリア支援プログラム

ーー入社後のキャリア支援について教えてください。

深谷会社としてはもちろん、個人の適性・成長機会や事業ニーズをふまえ、社員一人ひとりのキャリアプランを示していくことが原則です。一方で、社員一人ひとりが社会や事業環境の変化を積極的に捉えながら、主体的にキャリアを形成し、成長していくことも重視しています。そのため、社員の自律的かつ継続的な行動と成長を促すことを目的に、上司と1 on 1で面談を行う「キャリアデザイン面談制度」を導入しています。
キャリアデザイン面談は、社員一人ひとりが「どうやったら自分が成⾧できるか」「ありたい姿に近づくためには何が必要か」を上司と一緒に考え、主体的かつ自律的に行動するきっかけを創る場です。部署異動や勤務地も含めてのキャリア形成ではありますが、このキャリアデザイン面談を通じて、「自分がやりたいことと、組織のミッションを接続させながら会社生活を送ってほしい」という想いをこの制度に込めています。
また、社員の新たな挑戦を応援するための多様なキャリア支援プログラムが用意されています。
1つめは「人材公募制度」です。この制度では、各部署が社外に求人を出すのと同じように社内に求人を出すことができることが特徴です。 そのポジションを目指したい社員がいれば、手をあげてチャレンジできるという制度です。

2019年の制度開始以降、約800人以上の社員が人材公募制度を通じて異動し、新たな挑戦を始めています。さまざまな知識・経験やバックグラウンドをもった優秀な人材が、職種や地域、担当製品を越えて活発に交流することは職場の活性化やイノベーションの促進にもつながっています。

三菱重工HR戦略部 人材開発グループ 大卒事務系採用担当者

ーー800人もの方が異動されているのですね

深谷「越境チャレンジ」という当社ならではの制度もあります。これは人材公募制度と近い施策ですが2023年度から開始した制度で、本人の手あげ式で希望する部署やポジションに異動できます。ただし、人材公募制度と違って越境チャレンジは期限付きの異動となります。

ーーたくさんのキャリア支援プログラムがあるのですね。

深谷はい。会社としてもこれらのプログラムにはメリットがあると考えています。さまざまな職種や事業を経験した社員の育成は組織の強みにつながりますし、受入れ側の部門も新鮮な視点を得られます。例えばここにいる阪口も実は調達部門からHR戦略部に越境チャレンジを活用して異動して来ています。HR戦略部でも事業部目線で意見を発信してくれるので、非常に助かっています。

三菱重工HR戦略部 人材開発グループ 大卒事務系採用担当者

阪口2017年の入社以来、民間航空機とエンジンの事業で調達職種としてのキャリアを歩んできました。7年ほど調達を経験した上で、他の職種にもチャレンジしてみたいと思ったこと、新入社員の育成担当や採用活動へ参画する機会があり、会社全体の採用活動に一人称で関わってみたいという思いが芽生えたことがきっかけで、越境チャレンジに応募しました。

ーー実際に越境チャレンジで異動されてみて、いかがですか。

三菱重工HR戦略部 人材開発グループ 大卒事務系採用担当者

阪口越境チャレンジで異動してからちょうど1年になりますが、やってみないとわからないことがたくさんありましたね。調達部門とHR部門では仕事をするうえで押さえるべき観点も違うと感じます。一方で、調達部門で培ったコミュニケーション能力や交渉力はHR部門の仕事においても通じていると感じます。越境チャレンジに手をあげなければ得られなかった経験も多く、刺激的な会社生活を過ごせています。

ーーグローバルという観点ではいかがですか。

内藤グローバル対応力の強化という位置づけで、MGT(MHI Global Training)という制度も実施しています。これは若手社員を海外グループ会社に一定期間派遣し、異文化を学んだり海外での業務を経験したりすることで、社員のキャリアの幅を広げる狙いがあります。
この制度は2012年に開始し、多くの若手社員がこの制度を通じて海外に派遣されています。
実際に昨年、チーム内の入社6年目の社員が5月から10月までイギリスに派遣されていました。長期的に海外に滞在して仕事を経験できるチャンスがあるのは、グローバルを重視する三菱重工ならではだと思います。
MGTを活用することで、これまで海外に行く機会が少なかった部門の社員であってもグローバルな経験を積むことができるので、非常に魅力的な制度になっていると思います。

三菱重工HR戦略部 人材開発グループ 大卒事務系採用担当者

ーーやる気次第で部署を変えたり、海外で活躍するチャンスが得られたりするのですね。

小野三菱重工ではその他にも、当社を一度退職した方(アルムナイ)を採用するウェルカムバック採用や、社員からの紹介で中途採用するリファラル採用など、多様な人事制度を設けています。さまざまな経験を積んだ方が活躍できるように選択肢を用意しているのです。

風通しが良く、柔軟性を兼ね備えた社風

ーーお聞きしていると、本当に風通しが良く、柔軟にキャリアを考えていける会社ですね。

三菱重工HR戦略部 人材開発グループ 大卒事務系採用担当者

小野三菱重工にお持ちのイメージと違って驚かれるかもしれませんね。私も昨年転職してきたのですが、入社前に抱いていた「堅い会社なのでは?」という印象が、入社してみて全く変わりました。若手にも大きな裁量が与えられますし、会議などでも発言機会はかなり多い会社です。

深谷裁量が多いということは、それだけタフな環境でもあるということですが、若手のうちから濃密かつ多様な経験を積んで大きく成長できることは間違いありません。

ーーここまではキャリアのお話がメインになりましたが、「ワークライフバランス」についてはいかがですか。

内藤そうですね。社員が仕事と生活を両立できるように、多様化するライフスタイルに配慮したさまざまな支援制度が導入されており、世間水準と比較しても非常に充実していると思います。実際に利用した社員からも好評を得ていますし、HR部門としては今後さらに良い制度となるよう改善を重ねていきたいと思っています。また、三菱重工は趣味を充実させている社員も多く、自分の仕事と生活を両立させられる会社だと感じています。

ーー最後に本記事をご覧になっている方へメッセージをお願いします。

三菱重工HR戦略部 人材開発グループ 大卒事務系採用担当者

全員三菱重工が1884年の創立以来、140年以上の歴史を紡いでこられたのは、諸先輩が、変化し続ける社会課題の解決に真摯に向き合い、挑戦と改善を積み重ねてきたからこそだと感じています。私たちも、先輩から受け継いだバトンを次世代に渡していく責任を負っていますので、現状に満足することなく、新たな挑戦を積み重ねていきたいと思っています。
三菱重工には、時代を越えて誇りを持てる仕事があります。主体的に社会をつくりたい、社会を支えたいという志と責任を抱く方に選ばれる企業でありたいと考えていますし、私たちは、そのような想いを持って入社した社員の挑戦と成長を後押しする環境づくりに、これからも挑み続けます。

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日本を代表するグローバル企業、三菱重工。風通しの良い社風であり、柔軟な考え方でさまざまなキャリア支援を行っています。今回ご紹介したエリア選択制度をはじめとした各種制度も、そんな三菱重工らしい制度といえるでしょう。

「成長や自己実現を通じて社会課題の解決に挑みたい」、「グローバルに活躍したい」と考えている就活生の皆さんは、ぜひ就職活動の選択肢として三菱重工を検討してみてはいかがでしょうか。

[PR]提供:三菱重工業株式会社