猛暑や豪雨などの異常気象が毎年のように発生し、環境破壊や資源の枯渇、経済格差が深刻化する一途をたどっています。それにともない再生可能エネルギーやフードロスなどが注目されたりと、身近なところでもサステナビリティ(持続可能性)を意識する機会が増えてきました。企業も例外ではありません。現在、さまざまな企業が持続可能な未来を創るための取り組みを行っています。
JAグループの資産運用会社「農林中金全共連アセットマネジメント株式会社(NZAM:エヌザム)」もそのひとつ。ここでは、全社一丸となって取り組むNZAMの“サステナブル”についてご紹介します!
NZAMってどんな会社?
「農林中金全共連アセットマネジメント」は、JA(農業協同組合)グループの一員として約40年にわたり信頼と実績を積み重ねてきた資産運用会社です。略称のNZAM(エヌザム)は、英語表記の「Norinchukin Zenkyoren Asset Management」の頭文字4文字に由来しています。
資産運用会社のNZAMが「サステナブル」を重視する理由
「NZAMが資産運用会社というのはわかったけれど、“資産運用”と“サステナブル”ってどう結びつくの?」と疑問に思う人もいるのではないでしょうか。実はNZAMにとってサステナブルというのはとても密接な関係にあり、決して“他人ごと”にできないものなのだそう。
そもそもJAグループの一員であるNZAMにとって、地域を発展させることは当初から重要な使命のひとつでした。そのため農林水産業に深く関わる「気候変動」や、動植物・土壌・水などの自然由来の資源である「自然資本」、地域活性化につながる「地方創生」などのサステナブルな社会を実現するための課題を常に“自分ごと”として活動を行ってきたといいます。
資産運用会社という立場から見た場合も、企業の財務に直接的な影響を与えうる「気候変動」や、原材料や観光資源などのように企業活動をさまざまな面で支えている「自然資本」、安定した地域社会を実現する「地方創生」は重要な課題。というのも、環境や社会が不安定では企業の経済活動も成り立たず、投資しても長期リターンが得られにくくなってしまうからです。
さらに、グローバルな企業にとって「人権」や「多様性」を尊重することは欠かせないこと。
そこでNZAMは、(1)気候変動・自然資本、(2)地方創生、(3)人権・多様性の3つをサステナブル重要課題に設定して「みのりある豊かな未来」の実現を目指してきたそうです。
といっても、サステナブルは明確な答えがある領域ではありません。より良い方針を立てるには、多様な意見やアイデアが必要となります。そのためチームワークや多様性を重視するNZAMでは、全部署参加の「サスWG(Working Group)」を開催して全社員から意見を集め(なんと1,000件以上も集まったとか! )、サステナブル方針を決定。それに基づき全社一丸となって取り組みを行っているといいます。
NZAMのサステナブルな取り組みとは
それでは、NZAMでは具体的にどのような取り組みを行っているのでしょうか? ここでは、その取り組みを大きく3つに分け、それぞれ担当者のコメントを交えながら紹介していきましょう。
【その1】環境(気候変動・自然資本)
ESG投資で資産形成をしながら、みのりある豊かな未来を目指す
近年、世界各地でさまざまな異常気象が発生しています。日本でも2024年に猛暑日が過去最多となったことは記憶に新しいですよね。こうした世界規模の気候変動は原材料の品質悪化や労働環境の悪化などにもつながり、農林水産業だけでなく他の産業にも大きな影響を及ぼします。今の状態が続けば、現在の私たちの生活を維持することが難しくなる可能性も……。
そこで注目されているのが、環境(Environment)や社会(Social)に配慮した経営を行い、適切な企業統治(Governance)がなされている会社の株式などを購入すること。投資の世界では、それぞれの英語の頭文字をとって「ESG投資」と呼ばれています。
地球環境や将来の社会のためになる活動をしている企業に投資を通じて資金を提供すれば、環境や社会の安定につながり、ひいては産業や経済が発展して個人の暮らしも豊かになっていく。それが新たな投資ニーズを呼び起こして……といった具合に好循環が生まれれば、「みのりある豊かな未来」の実現に近づくことが可能です。投資家にとっては、資産形成をしながらより良い社会の実現に貢献することができ、まさに一石二鳥!
もっとも社会的な貢献ができるからといって、そのために金銭的なリターンが犠牲になっては本末転倒ですよね。そこで投資先の選定が重要になってきます。担当者のAさんにESG投資に対するNZAMの取り組みを聞いたところ、
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どれだけサステナブルで優れた取り組みであっても、儲からなければ続きません。継続的な収益があるからこそ、環境や社会にも持続的に貢献することが可能なんです。そのため、NZAMではESG要素の考慮と投資リターンの両立がとても大切だと考えています。 ESG投資に明確な答えや定石のようなものはありませんが、そのなかでリターンをきっちり上げつつ、環境や社会に持続的に貢献していけるような責任投資を行っています。新しい 領域なのでチャレンジの繰り返しなのですが、工夫のしがいがあって大きな“やりがい”を感じますね。 |
と回答してくれました。
ちなみに、NZAMは温室効果ガス排出量のネットゼロを目指す資産運用会社の取り組み「Net Zero Asset Managers initiative(ネット・ゼロ・アセット・マネージャーズ・イニシアティブ)」にも参画しています。Aさんによれば、
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ネットゼロ(Net Zero)とは、温室効果ガスの排出量から、森林に吸収される量などを差し引いて実質ゼロにすることを意味しています。資産運用会社の立場から、NZAMではネットゼロに沿った投資商品の提供に加え、気候変動の情報提供や啓発などにも取り組んでいます。 |
とのこと。こうしたところからも、NZAMのサステナブルに対する取り組みの本気度が伺えるのではないでしょうか。
【その2】地方創生
強みを生かし、地域の活性化をサポート!
地域が主体となって魅力あるまちづくりに取り組んだり、地域活性化をはかる取り組みのことを「地方創生」といいます。
NZAMにとっても「地方創生」はサステナブルを推進していくうえで重要な課題のひとつ。資産運用会社の強みを活かして、地域活性化を目指す地域の方の力になれることがあるのではないかと、各部署が創意工夫を通じてさまざまな取り組みを行っているといいます。
たとえば「金融教育」。地方での消費や投資の拡大は、その地域の活性化につながります。そこでNZAMの社員が地方創生の一環としてセミナーを開催し、資産運用の基本をレクチャーしているそうです。
セミナーでは、資産形成や投資を考えている大人だけでなく、小学生や教職者、高校生など幅広い層を対象として実施しているとのこと。担当のBさんに話をうかがったところ、
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実際に高校生を対象として、金融特別授業を実施したことがあります。生徒のみなさんの反応も大きく、“将来絶対に役に立つと思うので、高校生のうちに聞けて良かった”などの声がありました。地元マスコミからも取材を受け、社会的な関心の高さも実感しました。 |
と、その手ごたえを語ってくれました。
地方創生に関するNZAMのもうひとつの取り組みが「エンゲージ(企業との対話)」です。これは、社会的な課題の解決に真摯に取り組んでいる企業を、投資や対話でサポートしていくというもの。Cさんによれば、
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以前、地方で水のインフラを提供している企業を担当したことがあります。非常に意義のある取り組み内容でしたが、その情報開示の方法を工夫することで企業の価値がより広く認知されるのではないか、それによって企業の貢献が多くの人に伝われば持続的なインフラ提供にもプラスになるのではと考えました。 そこでエンゲージを通してその企業と情報開示の方法を一緒に模索したことがあります。こうした取り組みからも、地方に貢献できるんだなと目を開かれる思いでした。 |
とのこと。NZAMはグローバルな資産運用会社ですが、地方創生をテーマに実施したエンゲージは年間20~30件にも及ぶそうです。
【その3】事業法人
事務所選びからこだわる徹底ぶり! 社員のアイデアから生まれたサステナブルな取り組みも
ここまで、取引のある企業や個人に対する取り組みを見てきましたが、もちろんNZAM自身もさまざまなサステナブルな取り組みを実施しています。たとえば2023年に事務所を移転した際は、再生可能エネルギーを100%使用していることもひとつの理由として「九段会館テラス」を選択したのだそう。
また、サステナブルに関する議論の中で社員からもっとも多くフィードバックがあった意見を参考に、来客用のペットボトルを廃止して紙パック飲料を採用したことも。これによって、CO2を約35%削減することができたのだとか。
このほか、クリアファイルを100%再生プラスチック素材に変更したり、一部をリサイクルしやすい紙製ファイルに置き換えるなど、環境に配慮した取り組みを数多く行っているそうです。Aさんに伺ったところ、
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こうした提案は、通常、推進部署が旗振り役を務めるのですが、サステナブルな取り組みを始めてからは、他の部署が自発的に提案することも増えてきました。たとえば紙製ファイルの採用は営業部からの提案なんですよ。それだけ、全社一丸で作ったサステナブル方針が浸透していて、みんながその活動や想いを大切にしているということなのでしょうね。 |
と語ってくれました。
資産運用会社としてさまざまな角度からサステナブルに取り組むNZAM
企業や個人の資産運用にかかわるだけでなく、さまざまな角度からサステナブルな取り組みを行うJAグループの資産運用会社、NZAM。投資というと資産を増やすことだけをイメージしがちですが、ESG投資のように世の中の課題に積極的に関わって貢献できるスタイルもあります。NZAMの「投資を通じて社会をより良いものにしていこう」という考えと、それに基づく取り組みは、持続可能な社会の実現には欠かせないものだといえるでしょう。
NZAMによれば、「みのりある豊かな未来」のためにできることはまだまだあるとのこと。社員が自発的にサステナブルな提案を行うフラットで風通しの良い職場環境を活かし、みんなで一緒に新しい取り組みを推進していきたいと考えているそう。その想いが結実するのを期待しながら、今後のNZAMの動向を見守っていきたいところです。
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農林中金全共連アセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第372号
一般社団法人投資信託協会会員/一般社団法人日本投資顧問業協会会員