日本とは違った景色や食などを楽しめるヨーロッパ旅行。その移動手段といえば、鉄道や徒歩、はたまた飛行機を想像する人が多いだろう。そんななか注目を集めているのが、バスでヨーロッパを周遊する新しい旅行スタイル。ヨーロッパムンドバケーションズ(スペイン法人/JTBグループ)が運営する「ランドクルーズ」だ。

マイナビではランドクルーズの美しい景色が詰まった、「バスの窓からヨーロッパ!」と題した動画シリーズを公開中。筆者もその撮影に同行し、ランドクルーズを体験してきた。

バスの窓からヨーロッパ Day4 コルドバ、コンスエグラ

今回は、そんなランドクルーズ体験記の後編だ。前回はマドリードからグラナダ、マラガ、マルベーリャ、ロンダと周っていったが、今回はセビリアからコルドバ、マドリードへと向かっていく。

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前回に負けず劣らず、ワクワクする景色が満載なので、ぜひ写真と一緒に楽しんでほしい。

4日目:観光でも休息でもよし!ゆったり過ごせるセビリア

4日目は長距離移動はなし。セビリア市内をバスと徒歩で観光する。

まずやってきたのはスペイン広場。スペイン国内にはいくつもの「スペイン広場」があるが、最大のものはセビリアにあるそうだ。もともと万博会場として作られたこともあり、広さも建物の豪華さも群を抜いている。

スペイン各県をタイルで描いたベンチ。ひとつひとつ見ていると、時間が溶けていきそうだ。

名残惜しいが次の目的地へ。建物が密集するサンタクルス地区を散策する。夏の強い日差しを緩和するために、建物同士を極力近づけたそうだ。たしかにベランダから向かい側の家に物を手渡しできそうなほど、距離が近い。

サンタクルス地区を通り抜けたどり着いたのは、カテドラルとヒラルダの塔。どちらも世界遺産に指定されている名所だ。

カテドラルに足を踏み入れた瞬間、あまりにも高い天井と豪華な装飾に圧倒される。

ステンドグラスの光が壁や柱に反射して、幻想的な雰囲気を醸し出していた。

数ある見どころのひとつがコロンブスのお墓。スペインにあった4つの王国の国王たちが、棺を担いでいる。360度から見渡せるので、ぜひ背面からものぞいてほしい。棺の下の装飾やカテドラル、王の堂々とした背が一望できておすすめだ。

カテドラル内部から行けるのが、鐘楼のあるヒラルダの塔。スロープをひたすら上ると展望台にたどり着く。なんだか昨日もこんな運動をした気がする。

格子の向こう側にはセビリアの街が。こんなに素敵な街をまだまだ散策できることに、喜びを感じた。

午前中の観光が終わり、午後は自由行動の時間。まずは昼食を食べようと、広場の近くのバルに入った。スペインでは昼食を13~14時頃に始める人が多いため、お店で食事を提供する時間も遅め。この日は食事を注文できるようになるまで数十分ほど、ドリンクを飲みながら待っていた。日本ではなかなかできない、贅沢な時間の過ごし方だ。

昼食に注文したパエリア。2人前だったが、撮影スタッフと4人で分けてちょうどいい量だった。1人の場合は、小皿のタパスサイズで注文するといいだろう。

昼食後はひとまずホテルに戻って休息をとるのもよし、カフェで休憩するもよし。筆者はスーパーやデパートでお土産を買ったあと、日本にもあるチェーン店カフェでお茶を楽しんだ。ランドクルーズでは自由時間もたっぷりあるので、自分の行きたい場所に立ち寄れてありがたい。

ポイント:適度な自由行動がある!

ガイド付きの名所観光と、自由時間のバランスがいいランドクルーズ。ツアーではあるが自分なりの楽しみ方がしやすいのも大きな魅力といえるだろう。しかも最初から知らない場所に放り出されるのではなく、名所を案内したうえで解散となるので、初めて訪れる土地でも安心感がある。

ホテルにお土産を置いて休憩してから、夜景散策と夕飯のため再び市内へとくり出した。

昼間は人でごった返していたスペイン広場も、夜は落ち着いた姿に。噴水のライトアップも見応えがあった。

昼食をたっぷり食べていたため、夕飯は軽めに。現地添乗係員さんに教えてもらったお店で、ピンチョス(串に刺さった軽食)を楽しんだ。

ポイント:現地添乗係員においしいごはん情報を質問できる!

昼食と夕食は原則として自由食。おいしいものの多いスペインだからこそ、お店選びに悩んでしまうこともある。人気のお店やその土地ならではの料理が気になったら、現地添乗係員に聞いてみよう。

JTB ランドクルーズをもっと知る

5日目①:世界遺産の街、コルドバ

2泊したセビリアに別れを告げ、世界遺産の街であるコルドバへと出発した。

ローマ時代の橋脚が残る大きな橋を渡り、コルドバ市街へと入場する。

まずガイドさんに案内してもらうのは、イスラム建築とキリスト教建築がどちらも残るメスキータだ。

観光ガイドブックにもよく載っている、特徴的な柱。8世紀末に建てられた、イスラム教徒のための祈りの場だ。ここから時代を経るごとに増築が行われ、どんどん巨大な建物になっていった。

イスラム芸術らしい細かな彫刻が施された天井。

さらに奥へと進んでいくと、先ほどとは打って変わってキリスト教の装飾が施された白い天井が登場する。とくに増築部分の境目では、タイムスリップしたような不思議な感覚が味わえた。

メスキータ見学のあとはユダヤ人街へ。初夏に開かれるパティオ祭りでは、色とりどりの花が咲き乱れるという。訪れたのが11月だったので花は少なめだったが、植物と家々の調和は充分実感できた。

ランチは現地添乗係員さんにおすすめしてもらったお店へ。コルドバの郷土料理でもある牛の尾の煮込み(ラボ・デ・トロ)が絶品だった。ほろほろ触感のお肉がたまらない。

5日目②:風車がたたずむ町、コンスエグラ

続いてはこの日最後の観光地、コンスエグラへと向かう。約3時間半の移動だが、途中で高速道路沿いのカフェでトイレ休憩ができるので安心だ。

車窓の先に、風車群と城のシルエットが見えてきた。コンスエグラだ。『ドン・キホーテ』を彷彿とさせる景色が広がっており、観光名所となっている。ただし鉄道駅はないため、車やバスでしか訪れられない。ランドクルーズだからこそ立ち寄れる場所のひとつだ。

ポイント:アクセス困難な観光地も行きやすい!

ほとんどの区間をバスで移動するランドクルーズ。鉄道駅のない小さな町や、バスの本数が少なく交通の便が悪い場所にもアクセスしやすい。

風車の近くまでバスで行けたため、今回は山登りをせずにすんだ。強風を全身に受けながら歩くと、巨大な風車が立ちはだかる。想像以上の大きさで、ドン・キホーテが巨人を見間違えたのも納得がいった。

小高い丘の頂上は、城と風車が同時に見える撮影スポット。小さな売店になっている風車もあり、内部の歯車を見学できた。

町とは反対側を見下ろすと、雄大な景色が広がっている。ちょうど雲間から光が差しており、西洋絵画のような風景に心が震えた。

滞在時間はほかの都市と比べると短いが、記憶に残る場所だ。

南スペインの周遊を終え、再びマドリードのホテルへ。「帰ってきた」という実感を噛みしめながらベッドへと潜った。

6日目:観光もショッピングも食べ歩きも満喫!マドリード

観光としては最終日となる6日目。午前中はガイドさんとマドリードを観光し、午後は自由行動の予定だ。

マドリードの冬の空気を吸いながら、最初に訪れたのは王宮。今回は外観のみの見学だが、チケットを買えば入場できる。気になる方は午後の自由行動で訪れるのもいいだろう。

筆者が感動したのは王宮横の展望スポット。市街地と森、そして山がつながった景色を堪能できる。もともとは王家が狩りを楽しむ場だったと、ガイドさんが教えてくれた。

市街地の散策では、通りひとつひとつに付けられた名前のプレートを見るのも楽しい。

「肘通り」と名付けられた短い道の先には、観光名所のマヨール広場がある。

マヨール広場ではクリスマスマーケットの準備が行われており、建物の上には王冠のようなクリスマス用の飾りが付けられていた。周辺には飲食店やお土産屋が多く、観光客で賑わっている。

マヨール広場の隣にある、サンミゲル市場にも立ち寄った。

市場を改装して作られたフードコートで、スペインの名物料理が集まっている。

生ハム専門店で売られていた、イベリコハムのおつまみ。

こちらはピンチョス専門店。どれもおいしそうで、目移りしてしまう。

午前中最後に訪れたのはプラド美術館。こちらもすでにチケットが確保されているのでスムーズに入場できた。

館内は撮影禁止。名画の数々を、ガイドさんの解説とともに記憶に刻んでいく。なかでも筆者はゴヤの「我が子を食らうサトゥルヌス」を生で見られたことに感動。ショップで思わずしおりを買ってしまった。

午後は長めの自由行動。ゆっくりランチを食べたあとは、お土産屋やデパート、ガイドさんおすすめのお菓子屋さんなどを巡って買い物を楽しんだ。

スペインに来たら絶対に食べようと思っていたチュロス。日本のチュロスとはまったく違う味と食感に驚きながら、頭と身体を休めた。旅の間に少しだけ覚えたスペイン語で注文できたのも嬉しい思い出だ。

締めくくりに、夜のマドリードを散歩。昼間に訪れた王宮や市庁舎もライトアップされて、荘厳な雰囲気だ。無事に旅を終えられそうな安心感と、スペインにまだいたい気持ちを抱えながら夜景を眺めた。

ランドクルーズ7日目は、ホテルをチェックアウトしてそのまま空港へ。飛行機のチケットは自分でとるので、フライト時間を調整すればマドリードをもう少し観光することもできるだろう。もちろん新たな旅を始めたり、別のランドクルーズに参加したりすることだって可能だ。

ポイント:緊急電話が24時間つながる!

幸い今回は使わなかったものの、ランドクルーズでは24時間対応の緊急電話が用意されている。もちろん電話は日本語でOK。使用可能期間はランドクルーズ開始日の午前0時(中央ヨーロッパ標準時)から、最終日のホテルチェックアウト時まで。万が一の際に相談できる相手がいるため、自由行動中も心強い。

海外旅行初心者にも、新たな旅行先を求める人にもおすすめ!

参加前は「7泊8日は長そうだな」、「バスでの移動時間が暇だったらどうしよう」などさまざまな心配があった。しかし実際に参加してみると本当にあっという間。毎日感動が更新されていく、充実した1週間だった。しかも現地添乗係員さんの案内で観光名所の魅力を深掘りしつつ、自由行動もとれる。まさに団体旅行と個人旅行の長所を両立させた旅行スタイルだった。

乗り降り自由でカスタマイズがしやすいランドクルーズであるが、最初はJTBが案内しているコース通りに参加してさまざまな土地を巡るのもおすすめだ。お気に入りの都市が見つかったら、次回はそこに数日間滞在するのもいいだろう。アクセスが困難な場所のみランドクルーズを利用するという手もある。海外旅行初心者も、海外旅行に行き慣れている人も、旅行の幅がどんどん広がっていくはずだ。

ランドクルーズでは、今回紹介した南スペイン周遊コースのほかにも150以上のコースを用意している。自分好みのヨーロッパ旅を、ランドクルーズを織り交ぜながら計画してみてはいかがだろうか。

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バスの窓からヨーロッパ Day5 マドリード

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