日本とは違った景色や食などを楽しめるヨーロッパ旅行。その移動手段といえば、鉄道や徒歩、はたまた飛行機を想像する人が多いだろう。そんななか注目を集めているのが、バスでヨーロッパを周遊する新しい旅行スタイル。ヨーロッパムンドバケーションズ(スペイン法人/JTBグループ)が運営する「ランドクルーズ」だ。

マイナビではランドクルーズの美しい景色が詰まった、「バスの窓からヨーロッパ!」と題した動画シリーズを公開中。筆者もその撮影に同行し、ランドクルーズを体験してきた。

バスの窓からヨーロッパ Day1 グラナダ

すると従来の団体旅行や個人旅行では感じられなかった魅力が次々と判明! 初めて海外旅行をする人にも、何度もヨーロッパを訪れたことのある人にもおすすめしたいポイントがたくさんあった。筆者の体験記とともに、ランドクルーズならではの特長を、前編後編の大ボリュームでお届けする。

後編はこちら

途中だけの参加もOK!旅行の幅が広がるランドクルーズとは?

ランドクルーズは、ヨーロッパ各地をバスで巡るツアー。イタリア、スペイン、ドイツ、北欧など行き先は多種多様だ。細かく分かれたコースをつなぎ合わせることで、1ヶ国をじっくり周遊するのはもちろん、数カ国をまたいでの周遊も可能になっている。

例えば今回筆者たちが参加したのは、「マドリード発 スペイン周遊 マドリードとアンダルシア地方 7日間」のランドクルーズ。

①マドリードからグラナダ、②グラナダからセビリア、③セビリアからマドリードの3つの区間から成り立っており、一部の区間のみでも参加可能だ。1区間だけ参加したり、ほかのコースとつなぎ合わせて隣の国に足を伸ばしたりする人もいる。

しかも最少催行人員は1名から。「参加者が集まらなかったためツアーが中止になる」といった心配もない。日本語が話せる現地添乗係員が同行するので(一部区間除く)、言語面での不安も解消されるだろう。

また、付帯内容も従来のツアーとは異なっている。コースに含まれているのは、移動手段と宿泊先、朝食、訪問先の入場券、日本語現地添乗係員など。ただし往復の飛行機や、昼食と夕食は自分で手配しなければならない。一見すると大変に思えるかもしれないが、裏を返せば自分の都合や好みに合わせて選択できるということ。旅行業界を牽引するJTBが見出した、「団体旅行と個人旅行のいいとこどり」プランだといえるだろう。

南スペインをバスで周遊! ランドクルーズを体験してみた

さて、今回我々が訪れたのはスペインのマドリードとアンダルシア地方。南スペインの温暖な気候や美しい景色、さらにイスラム教の面影が残る世界遺産まで、見どころ満載のツアーとなっている。まずはマドリードを出発し、グラナダへと南下。セビリア、コルドバを経由し、またマドリードへと戻ってくるルートだ。旅の途中には『ドン・キホーテ』ゆかりの田舎町にも立ち寄り、雄大な自然やかわいらしい町並みも観光する。

1日目:到着直後から助かる! 空港で味わった安心感

旅の始まりは、マドリード=バラハス国際空港。朝11時頃に成田空港から直行便にのり、現地に着いたのは現地時間で20時頃。15時間超のフライト後で疲れがたまっており、自力でホテルに向かうのはなかなかしんどい。

そんな我々を出迎えてくれたのは、ランドクルーズに含まれているホテル送迎ドライバー! すぐさまスーツケースをトランクに積み、車でホテルまで送ってくれた。安心感からか、車内で一気に眠気が押し寄せてくる。

ランドクルーズでホテルを手配済なので、チェックインもスムーズだ。マドリードは6日目にじっくり観光できるので、明日からの旅程に心を躍らせながら早めに就寝した。

ポイント:空港からホテルへの送迎付き!

ランドクルーズは、マドリード空港からホテルへの送迎付き。「Europamundo」もしくは「参加者自身の名前」が書かれたカードを持ったドライバーが、通関後の出口で待っている。ドライバーは英語または現地言語を使うが、宿泊先はすでに伝わっているので支障はない。

2日目①:長距離移動もあっという間! グラナダへの旅

ぐっすり眠って2日目の朝。ホテルで朝食を済ませ、チェックアウトをしてからバスに乗り込む。この日の目的地はグラナダ。途中で『ドン・キホーテ』にも登場するプエルト・ラピセという田舎町を訪れる。

11月のスペインは日が昇るのが遅く、8時半頃に太陽が顔をのぞかせた。今日はいい天気になりそうだ。

トイレ休憩も兼ねて立ち寄ったのが、プエルト・ラピセ。『ドン・キホーテ』の作者であるセルバンテスが泊まった旅籠があり、作中にも地名が登場している。現在はレストランやドン・キホーテ博物館、お土産屋などが並び、観光客を出迎えている。

お土産屋の横に置かれた、ドン・キホーテの顔はめパネル。首の部分に自分の頭を乗せると、遍歴の騎士気分が味わえる。

立ち寄ったレストランでは以前ワインを醸造していたそうで、いくつもの樽が並んでいた。

小腹が空いたのでここでおやつタイム。この地方の郷土菓子、フローレスをいただく。花の形が特徴的なかわいらしい焼き菓子で、サクッとした食感と砂糖のほのかな甘みが気に入った。

再びバスに乗り、グラナダを目指す。アンダルシア地方に入ると、オリーブの木がびっしりと植えられた山が見えてきた。グラナダまでは数時間かかるが、車窓の景色がすべて珍しく、寝ている暇がない。

2日目②:グラナダ到着! 人気のアルハンブラ宮殿へ

グラナダのホテルにチェックインし、部屋に荷物を置いたらアルハンブラ宮殿へと向かう。大人気の観光スポットで、早めに予約をとらないと入場券が完売してしまうそうだ。ランドクルーズではあらかじめ入場券が確保されているので心配ない 。日本語現地ガイドの解説を聞きながら敷地内を巡っていこう。 ※アルハンブラ宮殿入場不可の場合はサンニコラス展望台への案内となります。

ポイント:人気観光地の予約もお任せ!

コース内で訪れる観光名所の入場券は、事前に確保されている。料金はランドクルーズの費用に含まれているため、追加で支払う必要もない。6日目に訪れるマドリードのプラド美術館も含め、行列ができるチケット売り場に並ばなくていいため、観光に集中できる。

アルハンブラ宮殿では、かつてイベリア半島で栄華を誇ったイスラム教徒たちの芸術が随所に見られる。豊かな水と花々に囲まれたヘネラリーフェ庭園は、ずっと眺めていたくなるほど美しかった。

いくつもの建物が密集するナスル宮殿へ向かう道すがら、ガイドさんに言われて遠くの山に目を向ける。グラナダは温暖な土地だが、近くの山頂には雪が降り積もっていた。山にはスキー場があるそうだ。スペインの多様な気候や地形を実感できた瞬間だった。

宮殿内はどこを向いても細かな装飾や鮮やかなタイルだらけ。どこを見たらいいかわからないほど、どこも美しいのだが、ガイドさんがポイントを的確に案内してくれた。

浴場の屋根には、独特な形の窓が。入浴中、星型の光が降り注いだそうだ。ガイドさんの案内があったからこそ、見逃さずに済んだ場所も多かった。

ポイント:現地ガイドが日本語で案内!

一部の観光地では、バスに同行する現地添乗員に加え、現地在住のガイドが同行してくれる。その土地により精通したガイドからの案内は、歴史的な背景や特徴的な文化、現地での実体験をもとにした情報など、聞き逃せない内容ばかりだ。

宮殿内を見終えると、ちょうど夕暮れ時に。夕陽に照らされたグラナダの街は、写真では伝えきれないほどに神々しい。ここでしか見られない景色を目に焼き付け、ホテルへと戻った。

夕食は動画撮影スタッフとともにグラナダ市街のバルへ。大きなタコの脚をじっくりグリルした料理など、目を引くものばかりだった。日本のタコとは違うふわふわ食感なので、現地を訪れた際はぜひ試してほしい。

JTB ランドクルーズをもっと知る

3日目①:1日で3都市を観光! 最初は港町マラガ

3日目はグラナダを出発し、ピカソの出身地であるマラガ、海辺のリゾート地マルベーリャ、断崖の上に位置するロンダに向かう。1日で3都市を巡る、盛りだくさんの旅程だ。

マラガ到着後、まずは旧市街の大聖堂(カテドラル)へ。少々入り組んでいる細い道を進み、開けた場所に出たと思ったら、目の前に荘厳な大聖堂が現れる。ヨーロッパは普通に街を歩いていても、急に歴史的な建築が現れるのでおもしろい。

カテドラル前の広場で、一旦解散。約1時間半の自由行動があるので、ピカソの生家をめざす。

しかし行けども行けどもそれらしき建物が見えない。ついに広場に出てしまったが、周りにあるのはカフェやレストランばかり。いったいどこにあるのだろうか。

そう思った矢先、目の前の建物に文字を発見! ピカソの生家だと書かれているが、あまりにもさりげない。生家すぎる。

さらに広場の人だかりに近寄ってみると、ピカソの像も発見。観光客が順番に記念撮影をしており、こちらも最初は気づかなかった。

まだ少々時間があったので、ピカソ美術館前のカフェで休憩。ミント風味のミルクティーに癒やされた。

3日目②:スペインの高級リゾート地、マルベーリャ

続いて訪れたのはマルベーリャ。ヨーロッパでは有名なリゾート地で、いかにも南国といった雰囲気だ。白い壁の家も多く、青空によく映えている。

お昼を兼ねて、約2時間半の自由行動。天気がよかったので、バルのテラス席でタパスセットを注文してみる。小皿に盛られた料理が何品も出てきて、想像以上にお腹がいっぱいになった。

腹ごなしついでに、海岸沿いを散策する。季節は冬だったが日中は暖かいため、ビーチで日光浴をする人もいた。海の向こうはアフリカ大陸かと思うと、「遠くまで来たな」と感慨深くなる。

ゆったり休息を楽しんだあとは、ロンダへ出発。バスへの乗り降りが多い日ではあるが、乗車時間はそれほど長くないため元気が有り余っている。貴重品以外の荷物をバスに預け、身軽に散策ができたのも体力温存につながった。

ポイント:身軽に観光できる!

ヨーロッパは石畳の道が多いため、個人旅行などではスーツケースを運ぶのも一苦労。しかしランドクルーズでは30kg以内のスーツケースを1人1個まで車内に預けられる(貴重品を除く)。最低限の荷物で歩き回れるため、狭い道や小さな店にも立ち寄りやすい。

3日目③:崖の町、ロンダ

これまでとは地形が一変し、ゴツゴツした岩山が多くなってきた。カーブが続く山道をバスで登り、絶景スポットのある町をめざす。

ロンダは渓谷の上に作られた町。新市街と旧市街を結ぶヌエボ橋は、下から眺めるのも魅力的だという。展望スポットに行くため、長い下り道をひたすら歩いた。

下り始めて約10分後、目の前には壮大な景色が。膝にたまった疲れが吹き飛ぶほど、見事な光景だ。自然と人工物が調和した空間に、しばらく見とれていた。

帰りに長い上り坂が待っているのは、今はまだ考えないようにしよう。お察しの通り、スニーカー推奨の山道である。

やっとのことでヌエボ橋まで戻ると、先ほどはなかった大きな影が出現。夕暮れ時にしか現れない「影の橋」は、見上げたヌエボ橋同様に美しかった。

ちなみにロンダは闘牛発祥の地でもある。今回は橋までの冒険に時間を割いたため訪れられなかったが、闘牛場の見学も人気があるそうだ。

バスの車窓から夜景を眺めつつ、宿泊地のセビリアに到着。心地よい疲労感とともに、ホテルで熟睡した。

バスの旅はアンダルシアの大都市セビリアへつづく!

ここまでで旅程は約半分。でも、「ここで終わりです」と言われても大満足で帰れるほどの旅路だった。

後編は、アンダルシア随一の大都市セビリアからはじまり、キリスト教とイスラム教の文化が融合する街コルドバ、そしてスペインの首都マドリードを周っていく。いままで見てきた場所とはまた違った風景が広がっていくので、お楽しみに!

最後に、ランドクルーズでは、今回紹介した南スペイン周遊コースのほかにも150以上のコースを用意している。もし、行きたい国があるなら、自分好みのヨーロッパ旅を、ランドクルーズを織り交ぜながら計画してみてはいかがだろうか。

後編はこちら

JTB ランドクルーズをもっと知る

バスの窓からヨーロッパ Day2 マラガ、マルベーリャ、ロンダ

バスの窓からヨーロッパ Day3 セビリア

[PR]提供:JTB