回転寿司みさきといえば、関東を中心に70店舗以上を展開する回転寿司です。高級な立ち寿司でよく使用されている赤シャリを回転寿司で楽しめるのが特長です。
とはいえ、高級店と回転寿司は価格も運営形態もまったく異なります。お手頃価格の回転寿司で赤シャリを採用するのは並大抵のことではありません。きっと、よほどのこだわりと苦労があったに違いない!
ということを聞きに来て、といつもの担当者から連絡があったので、今回は気になる回転寿司みさきの「赤シャリ」について、回転寿司みさきを運営する株式会社京樽の商品企画部部長・丸山翔さんにたっぷりとお話を伺ってきました!
赤シャリはシャリ自体に旨味があり、ネタの風味を引き出してくれる
――本日はよろしくお願いします! まずは丸山さんの自己紹介をお願いします。
丸山:京樽で商品企画部長をやらせていただいている丸山です。高校生のころにアルバイトで京樽に入り、そのまま京樽に入社して今に至ります。現在41歳なので、社歴はもう24年くらいになりますね。
丸山:現在は、企画から開発、販促まで見ているので、商品を作ってお客様にお届けするところまでのすべての仕事に携わっています。
――ありがとうございます! では本題なのですが、回転寿司みさきでは赤シャリを……。
丸山:そうなんです!!!
――!?
丸山:赤シャリとは酒粕で醸造した赤酢と米を混ぜ合わせてつくる赤く色づいたシャリのことで、シャリ自体に旨味があるのが大きな特徴です。通常のシャリ、ここでは白シャリと呼ばせていただきますが、白シャリと比較すると赤シャリの方が酸味などの後味が残りにくいという特徴があるんです。あとを引かずにスッと消えるため、ネタとシャリを同時に口に入れたときに先にシャリの風味がいなくなり、ネタの風味や香り、脂の風味が口の中に残ってくれるんです。
――丸山さん。
丸山:はい!
――落ち着いてください。
丸山:すみません! 今日は赤シャリについて話していいと聞いていたので嬉しくてつい……。
――(高校生から寿司一筋だけあって情熱がすごすぎる)つまり赤シャリは旨味が強く、後味が残らないのでネタの風味をより楽しめる、と。
丸山:そうですね。特に回転寿司みさきの赤シャリは2年以上熟成させた酒粕を使用した赤酢をブレンドしているので、濃厚で重厚な味わいが感じられます。お酒もそうですが、赤酢も熟成することで芳醇な香りが出てくるのが魅力です。とりあえず、おすすめ食べてみませんか?
――ん! 赤シャリ自体の旨味も感じつつ、それでいてネタの風味を邪魔しない……こりゃ、うまいですね!
赤シャリを生かすためのネタへのこだわりとは
――こんなに寿司がおいしくなるのに、なぜ一般的な回転寿司では赤シャリを採用していないのでしょう。
丸山:赤シャリにはデメリットもあるからです。まず、赤シャリは後味を残さずネタの風味がより感じられると申し上げましたが、逆にいえばネタの良し悪しを浮き彫りにしてしまうんです。例えばお安めの養殖の魚を赤シャリの寿司にしてしまうと、魚の餌の香りまで感じられてしまうんです。天然の魚はいろいろな餌を食べるので、特定の香りが強くなることは少ないのですが、養殖だと一種類の餌で育てることも少なくありません。
――すると、その餌の香りまで強調されてしまう?
丸山:はい。「マグロなのにイワシの味がする」なんて笑い話もあるほどです。
――そういう場合はむしろ白シャリの方がいいと。
丸山:白シャリを使って、さらにシャリの量を増やしてやれば、そういったネタの香りをマスクできます。でも赤シャリを使うならそうはいきません。本当にいいネタにこだわる必要があるんです。とはいえ、回転寿司みさきはあくまでもチェーン店です。業者さんからは銀座の有名店に卸している魚を紹介されたりするのですが、うちはそれをお手頃な価格で売らないといけませんから(笑)。回転寿司みさきで赤シャリが出せるようになったのは、そういったネタの質にこだわりながらもコストを抑えられたからなんです。
――ちなみに赤シャリ自体のコストは高いのですか?
丸山:はい、コスト自体は高いです。回転寿司みさきでは伝統的な江戸前寿司の赤シャリを目指して2年以上熟成した酒粕を使って赤シャリを作っています。
中でも、みさきの赤シャリは関東を中心に70店舗以上あるので、多くのお店で同じ品質のおいしい赤シャリを提供するために醸造酢で酸度を調整するなどしてどこのお店でも同じ赤シャリが味わえるようにしています。
――おいしさを追求しているからこそですね。いろいろなお客さんが来るので、ちょうどいい味を見つけるのは大変そうです。
丸山:商品開発中はもうわけがわからなくなるほど寿司を食べましたね……。回転寿司みさきはメニューも豊富なので、どのネタにもきちんと合うように一番しっくりくる比率を見つけ出すのは至難の業でした。
――お客さんの好みもありますからね。ファミリーなら大人と子どもの好みも違うでしょうし。
丸山:そうなんですよね。うちの子どもにも食べさせたりして、探っていきました。
――こだわりがすごいですね。
丸山:他には温度管理も重要です。よく「人肌」なんて言いますが、冷たいお寿司と温かいお寿司って感じ方がぜんぜん違うんですよ。せっかくの赤シャリも適切な温度でなければ力を発揮できません。回転寿司みさきではセントラルキッチンで炊飯を行い、徹底的に温度管理にこだわることで、安定して赤シャリの効果を引き出すことに成功しました。
赤シャリはお客さんからもスタッフからも好評
――ちなみに赤シャリって江戸前寿司では一般的だったんですよね? なぜ今はあまり使われなくなったんですか?
丸山:あくまでも「諸説あり」ですが、その昔は赤シャリの方がむしろ白シャリより安く作れたそうなんです。というのも昔は今より日本酒がたくさん飲まれていて、酒蔵もたくさんありました。赤シャリの原料になる酒粕も豊富だったのでコストもかからなかったわけです。それで赤シャリの方がうまいから、どこでも赤シャリを採用していました。ところが時代が進むにつれて、米の病気が蔓延するなどの出来事もあり、日本では色付きの米が敬遠されるようになったんです。結果、寿司でも「白い米」が好まれるようになりました。
――なるほど……。でも今は赤シャリの方が高コストなんですよね?
丸山:はい。赤シャリを採用するお寿司屋さんも増えてきたのですが、酒蔵が減ったり酒粕の量が少なくなったりしたこともあり、昔に比べて赤シャリのコストは上がっています。そのため、赤シャリを提供できるのはある程度高価格なお店が多いです。
――そんな中でどうして回転寿司みさきは赤シャリを採用しているのでしょう。
丸山:1つの理由はお客様のニーズです。調査によると、最近になってお客様の多くが「シャリのおいしいお寿司が食べたい」と回答されるようになっているそうなんです。これは、お寿司が日常食ではなくちょっと贅沢をしたいときの食事になっているからだと思います。贅沢するんだからシャリにもおいしさを求めたい、というわけです。シャリにこだわるお客様が増えているのであれば、回転寿司みさきとしてもそこにこだわっていこうと考えたのです。
――たしかに外食での寿司は、持ち帰り寿司やパック寿司とは違った外食ならではの高揚感がありますよね。
丸山:もう1つの理由は、先ほどご説明した赤シャリのデメリットをすべてメリットに変えられたことです。仕入をスシローなども展開するFOOD & LIFE COMPANIESが担当することになり食材のレベルがさらに向上し、現場のスタッフも天然魚の扱いに慣れてきました。それならここでさらに一段、寿司のおいしさを上げようと考えたのです。実は全店で赤シャリをリニューアルする前に、限られた店舗でトライアル導入を行ったのですが、結果は非常に好評でした。お客様はもちろん、従業員からも大きな反響があったんです。
――従業員の方から、ですか?
丸山:「これまで以上に胸を張ってお寿司を出せるようになった」とか、「お客様からお褒めの言葉をいただけてモチベーションが高まった」とか。その結果を見て、これはいけると判断しました。
――とはいえシャリの味を変えるというのは大きな決断ですよね。
丸山:もちろん不安はありました。さまざまなお客様がいらっしゃる回転寿司という業態に、赤シャリのようなプロ志向のシャリを投入していいのか、と。ただ、トライアルの結果を踏まえて、これはもう回転寿司みさきの特色として打ち出すべきだと考えました。結果として、今すごく数字は伸びています。それがすべてだと思います。
赤シャリを楽しむのにおすすめのネタは天然本まぐろ!
――そんな赤シャリを楽しむのにおすすめのネタは何でしょう。
丸山:まずはやはりまぐろですね! 特に本まぐろ三貫盛はアイルランド産の天然本まぐろ※にこだわっており、濃い旨味と脂の甘さが赤シャリと相性抜群です。一般的なメバチまぐろを使ったお寿司も出していて、それもおいしいのですが、ぜひもうちょっとだけお金を出して本まぐろを食べていただきたいです! また、今は本まぐろの鉄火巻も出していて、これも通常の鉄火巻よりちょっとお高いのですが、それ以上にクオリティが段違いなので絶対に食べてほしいです! ※アイルランド沖天然本まぐろのご提供は、仕入れ状況により変動する場合があります。 ※店舗でご提供するメニューは、天然本まぐろ以外の魚種の取り扱いもございます。
――9月11日からフェアも開催されるとか。
丸山:はい。普段の2年熟成よりさらに長く熟成させた5年熟成の赤酢を使った赤シャリのフェアを期間限定で開催します(2024年9月11日(水)~9月30日(月))。赤シャリの旨味がさらにアップして、酒粕の香りもしっかりと感じられます。また、シャリに合わせて、こだわりのまぐろや天然魚もご用意しているのでぜひそちらを楽しんでいただきたいです。
※回転寿司みさき 成田空港第1ビル店はフェア商品のお取り扱いはありません。
※仕入れ状況により、販売を中断/中止または販売数が前後する場合があります。
※1日の販売数に限りがあります。
――本日はありがとうございました。赤シャリの魅力がよくわかりました! 最後にマイナビニュース読者にメッセージをお願いします。
丸山:回転寿司みさきは、一般的な回転寿司よりもお値段は少し高めです。だからこそ「回転寿司に行こう」といって思いつくお店ではなく、「お寿司が食べたいね」といって思いつくお店になりたいと思っています。それくらい、ネタにもシャリにもこだわりを持って本格的なものをご提供しています。グルメ回転寿司と呼ばれる寿司屋が都内を中心に多く出店をする中で、回転寿司みさきは赤シャリを武器に赤シャリと合わせておいしいお寿司をご用意しています。
ぜひ、お寿司を食べたい日に回転寿司みさきを選んでいただけると嬉しいです。
赤シャリをリニューアルし、より本格的な味わいを実現した回転寿司みさき。丸山部長のお話からは並々ならぬこだわりと情熱が感じられました。風味豊かでネタの良さをしっかりと引き出してくれる赤シャリのおいしさをぜひ体験してみてください。
[PR]提供:FOOD & LIFE COMPANIES