ヤマハ発動機株式会社(以下、ヤマハ発動機)は、バイクやスクーターをはじめ、ボートなどのマリン製品、電動車いすなど、さまざまな事業を展開しています。海外の拠点も多く、日本を代表するグローバル企業です。そんな同社では現在、社員の昇格要件にTOEIC® Listening & Reading Test(以下、TOEIC® L&R)を採用するほか、自己啓発講座として語学研修も準備されているなど、会社全体における英語力の強化に力を注いでいるそう。なぜヤマハ発動機は英語力を重視するのか。実情を知るべく、社員の方々にお話を伺ってきました。
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グローバル化を進めるヤマハ発動機
ーーまずはヤマハ発動機について教えてください。
加藤さん ヤマハ発動機は「感動創造企業」を企業目的に掲げ、モーターサイクル、マリン、ロボティクス等、様々な事業を展開しています。事業フィールドは180以上の国と地域であり、海外売上高比率は90%を超えています。
ーーヤマハ発動機の特徴について教えてください。
須藤さん ヤマハ発動機は個人と会社が高い志を共有し、研鑽しあい、協力しあい、喜びを分かちあえる関係(ビジネス・パートナーシップ)の構築を目指しています。そのため、さまざまな人事施策を全世界で実施しています。
加藤さん 企業風土として「挑戦」を大切にしている点も特徴です。これまでの会社の歴史においても、事業を拡大してきた背景には常に自由闊達な企業風土がありました。このような風土はヤマハ発動機ならではだと思います。
●個人と会社が高い志を共有するビジネス・パートナーシップの構築を目指し、全世界でさまざまな人事施策を実施
●「挑戦」を大切にする自由闊達な企業風土がある
海外拠点とのやりとりや出向など、英語が必要とされる場面は多い
ーーそんなヤマハ発動機では近年、英語力を重視されていると伺っています。具体的にはどのような部署や業務で英語が必要とされるのでしょうか。
加藤さん グローバルでの事業多角化を進めていることもあり、非常に多くの部署や業務で英語を使用しています。海外拠点とのやりとりのほか、取引先や販売店との連絡などは英語を使うことが多いです。また、グローバル採用を推進しているので、日本拠点であっても外国人の社員と英語でコミュニケーションをとる機会があります。
私はグローバル人事にて国内外人材に対する選抜研修を担当しています。その為、グローバルで選抜されたメンバーや研修時の講演に登壇頂く方々とのコミュニケーションは基本的には英語となります。また、同僚にも外国籍の方がいますので、普段からも英語でコミュニケーションを図る機会を持っています。
須藤さん 私は、国内拠点とのやりとりが中心になるので、英語を使用する機会は多くありません。ただ、担当する自己啓発講座で出会う受講者の方は、英語に対する学習意欲がとても強い印象です。自己啓発講座は部署の垣根を超えて実施しているのですが、多くの方が参加されています。それは、海外拠点とのコミュニケーションや海外出張で、日常的に英語を使う機会があるヤマハ発動機だからこそだと思っています。
加藤さん 営業系の部署はもちろんですが、現在は生産や技術についてもかなり海外にシフトしています。そのため、日本で開発した技術を使って、海外で生産を行うことなどもあり、海外拠点と密な連携が必要です。その際のコミュニケーションは、英語がほとんどです。もちろん、英語をあまり使わない部署もありますが、全体でみればかなり英語を使う会社です。
ーー社員に求める英語力について教えてください。
加藤さん 業務によって必要な英語力は異なります。たとえ、英語が必要な部署や業務であっても、全員が流暢に英語を話せるわけではありません。業務に必要な最低限の英語力と、試行錯誤しながらでも英語でコミュニケーションをとろうとする意思が重要です。ただ、どうしても役職が上がるとグローバルでの会議に出席することもあるので、ビジネスレベルの英語力がより必要になってきます。
ーー社員の英語力を強化されている背景には何があるのでしょうか。
加藤さん ヤマハ発動機では2030年に向けて「ART for Human Possibilities~人はもっと幸せになれる~」という長期ビジョンを掲げています。それを達成するためには、社員同士が協調し、互いの異なる視点や価値観を取り入れることは不可欠で、国内外問わないコミュニケーションが必要とされており、共通言語として英語が重要視されています。
須藤さん 日本拠点で働く外国人社員が増えると、マネジメントするのにも英語が必要になり、必然的に英語を使う機会が増えていくでしょう。それを見越した上で、社員が英語力を鍛えるために必要な教育制度や会社としての支援の仕組みを用意し、英語力強化に力を入れています。
●重要なのは、業務に必要な最低限の英語力と試行錯誤しながらでも英語でコミュニケーションをとろうとする意思
●国や地域を超えた取り組みを強化しているため、今後英語力は更に重要になっていく
●今後を見据え、社員の英語力を鍛えるために必要な教育制度や会社としての支援の仕組みを用意し、英語力強化に力を入れている
TOEIC® L&Rを昇格要件に採用! 語学講座の受講者が5年で5倍に
ーー具体的にどのような英語力強化の取り組みを実施しているのでしょうか。
須藤さん 2021年からTOEIC® L&Rの点数を昇格要件のひとつにしました。会社がTOEIC® L&R試験の費用補助を行い、受験しやすい環境を整えて自身の英語力を確認できるようにしています。また、「自律的に学んでほしい」という会社の育成方針に沿って、過去には指名で実施していた語学研修を2022年からは全社員対象の任意の自己啓発講座とし、社内への啓蒙も進めています。その結果、2023年の語学研修受講者は2019年と比べて約5倍にまで増加しました。
ーー5倍ですか! 大きな変化ですね。
須藤さん これだけ受講者が増加したのは、TOEIC® L&Rを昇格要件にしたこともありますが、TOEIC® L&Rのオンライン講座を導入したことですきま時間でも受講しやすくなったこと、そして福利厚生ポイントを導入した影響も大きいと思います。福利厚生ポイントとは、ヤマハ発動機が福利厚生の一環として支給しているポイントです。そのポイントを自己啓発講座に使えるようにしたことも活用する人が増えた要因のひとつだと思います。
ーーその自己啓発講座のなかにTOEIC® L&Rの講座もあるということでしょうか。
須藤さん はい。自己啓発講座には、さまざまな講座がありますが、なかでもTOEIC® L&Rの講座はかなり人気の高い講座です。実際受講している方にヒアリングしたところ、「海外拠点とコミュニケーションをとる機会が多いし、将来的には海外に出向したいからがんばっている」と話していました。社員のキャリアアップを後押しできているようで嬉しいです。
ーー社内をご覧になって英語学習に関する意識の高まりを感じることはありますか。
須藤さん TOEIC® L&Rを受験する社員の数も伸びていて、意識の高まりは感じています。昇格要件にTOEIC® L&Rの点数が入ったことで、英語の必要性を多くの社員が認識したのだと思います。
ーーそのように社員の方が将来のキャリアを見据えて英語をがんばろうと思ったとき、挑戦を後押ししてくれるカルチャーがヤマハ発動機には浸透しているわけですね。
加藤さん おっしゃるとおりです。キャリアを築くのに大事なのは英語だけではありません。しかし、少なくとも重要なスキルのひとつとして、英語力が認識されていると思います。●語学研修を自己啓発講座に変えて社内に啓蒙したことで、受講者が5年で約5倍に
●会社がTOEIC® L&Rの受験費用を補助することで受験しやすい環境を整えている
●福利厚生で自己啓発講座を受けられるようにし、社員の日々の学びをサポート
さらなるグローバル化に向けて英語力の重要性が増していく
ーー今後、社員の皆さんに期待されていることを教えてください。
加藤さん 弊社はDE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)の考え方を大事にしており、年齢・性別・国籍等に関係なく誰でも活躍できる会社を目指しています。そうした職場環境のなかで、言語がコミュニケーションの壁になるのはすごくもったいないです。その壁を乗り越えるために重要なのが英語力です。だからこそ、社員にも英語力の強化に取り組んでほしいと思います。
また、ヤマハ発動機は今後さらにグローバル化、事業の多角化を進めていきます。いずれヤマハ発動機は「日本人の会社」ではなく、「多国籍の方が働く会社」として日本のグローバル化を牽引する企業のひとつになっていくでしょう。日常的なコミュニケーションを英語で行うことが当たり前となり、これまで以上に英語力は重要性を増していくはずです。
●コミュニケーションの壁を乗り越えるためにも英語力強化に力を入れている
●今後はさらなるグローバル化で「多国籍の方が働く会社」として、英語力は重要スキルになっていく
ーー最後に本記事をご覧になった若手ビジネスパーソンにメッセージをお願いします。
須藤さん ヤマハ発動機では英語力はもちろん、社員が自分自身のキャリアを築く上で挑戦することを大切にしています。若手ビジネスパーソンの方にも、ぜひTOEIC® L&Rや英語力アップなどにチャレンジして、自分の可能性を広げていっていただきたいです。
加藤さん 私自身、英語を学んできたおかげでいろいろな経験をさせてもらいました。グローバルの人事を担当していることもあり、今まで関わったことのない方とコミュニケーションをとったり、様々な国に出張したりするなど、多くの経験が積めています。実は今度、ブラジルに出張する予定です。ブラジルのように英語圏ではない国でも、英語ができるとコミュニケーションをとることができます。そのように、英語力が上がるとさまざま経験ができるのも英語を学ぶメリットのひとつです。
さらなるグローバル化と事業の多角化に向けて、社員の英語力アップに注力しているヤマハ発動機。TOEIC® L&Rを昇格要件に採用するなど、わかりやすい指標があることで社員のモチベーションも高まっているようです。若手ビジネスパーソンにとっても、世界を見据えたビジネスに携わりたいのであれば、英語力の強化は必須で取り組みたいチャレンジといえそうです。TOEIC ® Programを活用し、今後進んでいくグローバル化に向けて英語力向上を考えてみてはいかがでしょうか。
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写真:深山徳幸 文:山田井ユウキ
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