X(旧Twitter)で配信中の番組『竹山家のお茶の間で団らん』。今知っておきたいアレコレを深掘りする内容で、毎回幅広いテーマを扱っている。番組にはパパ役としてカンニング竹山さん、ママ役として篠田麻里子さん、娘役として越智ゆらのさんが出演している。

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地層処分を学ぶシリーズ第5弾は新スタジオで地層処分をお勉強

7月10日(水)19時に配信された第21回放送では、「地層処分を学ぼう!」シリーズ第5弾をお届け。竹山家に加えて東海大学 工学部 応用化学科の若杉圭一郎教授、NUMOのWebCMに登場している、インフルエンサーで現役保育士のてぃ先生、栗栖あに華さん、新沼凛空さん、宝持沙那さんが出演した。

はたしてどんな内容になったのか、さっそくレポートしていこう。

そもそも地層処分とは? 東海大学・若杉教授が解説

番組ではまず、原子力発電で使い終えた燃料をリサイクルした際に生じる、高レベル放射性廃棄物の安全な地層処分の実現を目指して事業を行う「原子力発電環境整備機構(NUMO)」のWeb CMを紹介。実はこのCMには本番組に出演するゆらのさんと、今回のゲストのてぃ先生は先生役で、栗栖あに華さん、新沼凛空さん、宝持沙那さんは学生役で出演している。

竹山パパからの「CMに出たってことは高レベル放射性廃棄物や地層処分のこととか、ある程度勉強して撮影にのぞみましたか?」という問いかけに、あに華、凛空、沙那の3人は「地層処分という名前は知っていたんですけど、詳しい内容とかどういうことをやっているのか知らなかったので、CMの撮影を通してたくさん知ることができてよかったです」と答えていた。

そんな地層処分について、今回は東海大学 工学部 応用化学科の若杉圭一郎教授を迎え、より詳しい話を学んでいく。

番組ではこれまでに4度、地層処分を特集しており、竹山家は北海道の幌延町や神恵内村、青森県の六ヶ所村、そして東京のNUMO本社とさまざまな場所を訪れて学んできた。多くの学びを得た一方、しっかりと現地のグルメや観光も楽しんでいた竹山家にてぃ先生からは「半分旅行なんじゃないかな」とツッコミが。これに竹山パパはたじたじになりつつ、「家族旅行で学びもあった」と返していた。

なお、若杉教授は竹山家が訪れた幌延深地層研究センターで以前、研究者として従事していた経歴を持っており、番組の中で麻里子ママが「地下350mの世界を見学できたことが人生で一番嬉しかった」とコメントしたことについて、「そのコメントを聞いたときが私も人生で一番嬉しかったです」と笑顔を見せていた。

ここからはあらためて地層処分とは何なのかという点について学びを深めていく。

まずは、若杉教授より「どんな発電方法があるか」との質問があり、出演者は「太陽光」「風力」「火力」「原子力」「水力」などと回答。その上で、若杉教授から、「どの発電方法にもメリットとデメリットが存在する」や、「ほとんどの発電方法に共通するデメリットが廃棄物を排出してしまうこと」とのコメントとともに、高レベル放射性廃棄物に関する説明がなされた。
原子力発電では、使い終えた燃料は再処理することで約95%再利用できるが、そのうち約5%が高レベル放射性廃液という形で、再利用できない廃棄物として残ってしまう。

廃液は液体の状態なので、そのままでは管理が難しいため、ガラス原料と混ぜ、冷やし固めて「高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)」に加工する。

ここで竹山パパから「なぜ固めるのにコンクリートじゃなくガラスなのか」という質問が。若杉教授によると、放射性物質は数千年や数万年にわたって危険性が持続するものがあり、固化する物質もそれくらいの時間スケールで安定したものでなければならないとのこと。実はガラスは化学的に非常に安定しており、物質を閉じ込めるのに適した材質なのだという。

現在このガラス固化体は日本に約2,500本あり、貯蔵管理施設で保管されているが、実はまだガラス固化体になっていない使用済燃料が日本に約19,000トン超存在し、各地の原子力発電所の施設に貯蔵されている状態なのだという。これらをすべてガラス固化体にしたと仮定すると、既にある約2,500本と合わせて、約27,000本相当のガラス固化体が日本には存在している。

ガラス固化体をどのように処分するのかという課題に対し、国際的に様々な処分方法が検討された結果、「地層処分」が最も現実的で安全な方法であることが各国の共通した考え方であるとともに、日本では法律でも定められている。

街行く人の声は? 初めての街頭インタビュー!

では、この「地層処分」について街の人々はどう思っているのだろうか。今回はそんな疑問を調査すべく、あに華、凛空、沙那が初めての街頭インタビューに挑戦! そのVTRが番組で紹介された。

初めての挑戦にもかかわらず、3人は臆せず街行く人々に話しかけていく。その結果、地層処分については「他の方法はないのか?」「本当に安全なのか?」といった2つの疑問が多くあがったほか、「いつか捨てられなくなるのでは?」「宇宙に捨てるなら地球に問題はなさそう」「地下水は大丈夫?」といった声も寄せられていた。

これらの質問にスタジオでは若杉教授が回答。まず、「他の方法」については「原子力発電を稼働する以前からさまざまな方法が検討されてきた」とのことで、安全性や経済性、技術的な実現性などを検討した結果、地下の「物を閉じ込める力」を利用した『地層処分』が最も安全で実現性が高いという結論になり、各国で採用されるようになったという。

ここで、てぃ先生から「今の技術だと叶いそうなものもあるのでは」との指摘が。これに若杉教授は、「たとえば宇宙処分だと発射時に事故が起きると世界中に放射性物質をばらまくことになるし、海洋投棄や氷床処分は条約で禁止されている」と説明。

また、地上で長期管理する選択肢について、若杉教授は「高レベル放射性廃棄物は危険性が長く持続するので施設のつくり替えも必要になるし、将来の世代に管理を押し付けるのも倫理的にもよくない」と述べた上、「地上は自然災害の影響を受けやすく、戦争やテロなどの人為的なリスクも考えると高レベル放射性廃棄物の根本的な解決になり得ないということが世界共通の認識になっています」と回答した。

一方で、地層処分の安全性については、「ガラス固化体をそのまま深くに埋めるわけではなく、複数のバリアを施した上で処分するのが地層処分の基本的な考え方」と紹介。1つのバリアに依存するのではなく、複数のバリアで覆うことで安全性を確保するのがポイントだと語った。

この複数のバリアとは、まずガラス固化体そのもの。そしてガラス固化体の周囲を覆う厚さ約20cmの金属製の容器「オーバーパック」。さらに緩衝材として天然の粘土鉱物であるベントナイトを約70cmもの厚さで敷き詰める方法である。ベントナイトは水を吸収すると固まる性質があり、身近な物で言うと、猫砂などに使用されている。こうした特性を活用して地下水がオーバーパックに接触することを抑制、さらにオーバーパックから放射性物質が万が一漏れたとしても吸着して移動を遅らせることができるというわけだ。

さらに、こうした「人工バリア」に加えて地下の岩盤そのものにも放射性物質を吸着する力があり、バリアの役割を果たしてくれると若杉教授は言う。

そのため、地層処分は何よりも「場所選び」が重要になり、地層処分に適した地質環境を選定する必要がある。この選定には段階的な調査が必要で約20年を要するとのこと。そのスケール感にスタジオでは驚きの声があがっていた。

「地震の多い日本で地層処分できるの?」の疑問をわかりやすい実験で解消!

また街頭インタビューで最も多かった疑問が「地震が多い日本で地層処分はできるのか?」というもの。この声に対して若杉教授は「地下の揺れは地上の揺れに比べて1/3~1/5程度に小さくなる」と解説。思考実験として、長い棒の一端を手に持ち、もう片方を揺らして地震の揺れの伝わり方について解説してくれた。手で持っている方を地下深部の震源として、フリーになっている方(先端の方)を地表だと仮定すると、手で持っている方を軸に棒を揺らすと、震源はそれほど大きく動いていないが地表は大きく動いているのがわかる。これにはスタジオから「わかりやすい!」と歓声があがっていた。

一方で、「日本は変動帯の上にあるため、地層処分は難しいと言う専門家もいるが、この点はどうか」との質問が竹山パパからなされた。この点について若杉教授は、地質の専門家は数10kmや数100kmといったスケールで地質を見ているのに対して、地層処分の専門家は約2~3km四方の処分場とその周辺を見ており、それぞれが見ている規模感(スケール)には大きな違いがあると説明の上、「プレートが動くときは大きなスケールで隆起するため、断層から十分離して隆起が激しいところを避けるように処分場を選べば破壊されることは考えにくい」と解説した。

街の人たちの疑問に一つひとつ若杉教授が丁寧に回答する形で進行した本番組。ゆらのは「今までは行って見ながら学ぶ感じだったけど、こうやって先生を目の前にして授業のように学ぶのは初めてだったので、新しい気持ちで学ぶことができた」とコメント。麻里子ママは「やっぱり物事って知らないと不安。ちょっとずつ知ることでみんなのイメージも変わるんだなってすごく思いました」、竹山パパは「先生のいろいろな解説を聞いて、学びがありましたよね。“ああそうか、こうなっちゃうもんね”とか、“そうか、だからいいんだ”とか、すごくわかりやすかった」と感想を語った。また、てぃ先生は「やっぱり考えることって大切だと思うんです。自分たちのために考えることも必要だけど、NUMOさんがテーマとして掲げていらっしゃる“次の世代のために、いま考える”ってことが大事なんだなって改めて思いました」と“考えること”の大切さを強調した。

番組収録後には、栗栖あに華さん、新沼凛空さん、宝持沙那さんの3人で地層処分について学んだことをレポートとしてまとめた。レポートはNUMO公式サイトで公開中だ。

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『竹山家のお茶の間で団らん』第21回は現在、アーカイブ配信で視聴できる。ぜひチェックしてみてほしい。

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[PR]提供:原子力発電環境整備機構